ジェームズ( Apple のリクルーター)のアレンジで 2月の中頃、Siri チームのマネージャーと電話することになった。
「もしもし、タローです。」
「タロー、ハーイ。Apple Siri チームのマネージャーのホセです。今日は時間をとってもらってありがとう。まず、あなたがどのような業務についているか聴かせてもらってもいいですか?」
「もちろん。
僕は SF ベイエリアにあるスタートアップでエンジニアとして働いています。この会社ではビジネス向けの自然言語処理ソリューションをウェブ上で提供しています。僕は、データ処理のパイプライン関連を主に担当しているんですが、モデルのトレーニングや評価も行うことがあります。
10人にも満たないチームで、大学の研究室から始まったチームなので、エンジニアリングのレベルは高くないんですよ。だから、なんとかスケールするエンジニアリングを目指していましてね、開発からデプロイまでのプロセスを自動化したり、モデルの訓練をなるべく簡単にしようとしてるんです。そのために、チームメイトにコードレビューがなんたるか、CI がなんたるかという、まぁ基本ですよね、そういうのを教えたりすることもあるんですが、その分、僕も彼らから自然言語処理のあれこれについて教えてもらっています。モデルの訓練の際には GPU リソースの管理が難しくて。その辺は Apple のような大きな会社ではリソースとインフラが十分に構築されているかと思いますが。」
「そうですね、Apple はご存知の通り今機械学習に力を入れていてね、その内でも Siri は最重要チームの一つと言えるね。ただ、完全に内部インフラが整備されているかというとそうでもなくてね。そこらへんをスケールできるシステムを構築中しようとしているんですよ。」
「なるほど。僕はエンジニアなんですが、モデルのトレーニングなんかも出来たらいいなと考えているんですが、そういうキャリアパスはありますか?」
「問題ないですよ。僕のチームでもエンジニアから入ってトレーニングの方にシフトした人はいるから。」
「それは僕の理想ですね。どころでチームの所在地はどこに?」
「Siri の主だったチームはボストンとクパチーノになるね。僕は今はボストンから電話をかけてるよ。ボストンオフィス興味ある?」
「ええ。ありますよ。」
「分かりました。なかなか良さそうなバックグラウンドですね。この後のステップを手配しましょう。追ってリクルーターに連絡しますよ。」
「ありがとうございます。それでは、良い一日を。」
午後になり、ジョアンナ( Google のリクルーター)から着信があった。ジョアンナの声はまだ若いのに年老いた皺だらけの魔女になろうとしているかのような声だった。話はいつもの流れになった。僕は自分の仕事について簡単に説明した。ジョアンナは、Google Brain はリサーチ系だから僕の履歴にはフィットしないが、機械学習を必要とするポジションはいくらでもあるので、そのようなポジションを見繕うといった。そして、その間採用のプロセスを進みたいかと訪ねた。僕はイエスと答えた。こうして Google とインタビュープロセスが始まった。
第六話へ続く。
第3回 | 時勢 |
第4回 | pow(10, 100) |
第5回 | 電話そして電話 |
第6回 | コーディングテスト - 練習編 |
第7回 | コーディングテスト - 実践編 |
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