2021-06-03に更新

サーバ入門1 サーバハードウェアの基礎知識

まず、サーバもPCも基本的に、同一のコンピュータアーキテクチャで構成されている。

コンピュータアーキテクチャ

・・・コンピュータにおける基本設計や設計思想などを意味する。

サーバハードウェアの形状

サーバハードウェアは、設置場所や用途に合わせ3種類の形状がある。案件の予算や要件に合わせて、最適な形状を選定する。

種類 用途
タワー型 サーバラックがなく、かつラックを新規で設置できない場所へ設置する場合は、この形状を選ぶ。
ラックマウント型 データセンターやマシン室と呼ばれる場所にあるサーバラックへ設置する場合はこの形状を選ぶ。
ブレード型 ラックマウント型のシャーシ(箱)に、複数のサーバやスイッチを集約させた形状。内蔵された複数のスイッチやサーバをまとめて管理できる。ラックマウント型より、サーバの搭載の密度を上げられるため、たくさんのサーバを必要とするサービスに適した設計。

サーバラック

・・・ラックマウント型のサーバを収容する専用の棚「サーバラック」のこと。ラックマウント型のサーバサイズは規格で決まっている。(1U、2Uのようなユニット(U) 単位のサイズになっている。)
※ラックマウント型サーバを搭載したサーバラックは、ほとんどが「データセンター」という場所へ設置する。

データセンターに置く理由

  1. 防犯設備(物理的な破壊や侵入を防ぐため)
  2. 地震や停電対策設備
  3. 空調設備

CPU

・・・主に演算するための装置(パーツ)で、この装置がないとサーバ(コンピュータ)は動かない。

CPUにおいて基本的な処理性能を左右する要素

1.クロック周波数
※同じ周波数でも、世代が新しくなるほど、性能が向上する。
2.コア数
※コア数が多いほど、並列処理性能が向上するので、複数のクライアントへサービスを提供するサーバに適している。
3.キャッシュメモリ
※PCと異なり、利用者が1人だけではないサーバは利用者の数だけ異なるプログラムを実行する場合が多いので、サーバ用のCPUは、PCより大きなキャッシュメモリが搭載される

メモリ

・・・メモリ(主記憶装置)はCPUのキャッシュメモリに収まらないデータを格納するための装置。データの読み書き速度はディスクより高速だが、CPU内蔵のキャッシュメモリより低速となる。サーバにおいて最も重要な要素は、データを格納できる容量の大きさである。

ディスク

・・・OSやアプリケーションプログラムデータなどを格納する装置。電源を切ってもデータは失われない反面、読み書き速度は1番低速。

ディスクの種類

ハードディスク(磁気でデータを記録)

・SATAハードディスク・・・PC用ディスク、1日8時間程度の稼働を想定。安くて大容量だが低速)
・SASハードディスク・・・サーバ用のディスク、365日24時間稼働を想定。SSDより安くSATAより高速

SSD(半導体でデータを記録)

・SSD(Solid State Drive)・・・ハードディスクよりかなり高価だが、圧倒的に高速

RAID

・・・RAIDコントローラーを使って、複数の物理ディスクをまるで1つのディスクのように扱い(論理ドライブと呼ぶ)、耐障害性や処理速度を向上させる技術。
・データが消えると影響が大きいサーバでは可溶性を高めるために利用する。
・RAIDにはレベルと呼ばれる数種類の構成パターンがあり、そのレベルに応じて論理ドライブの実容量、耐障害性、読み書き速度の特性が変化する。
・RAIDレベルは、構築するサーバの案件から重視するものを考え、設計時に限定する。1度決定したレベルを、サービス稼働時に変化するのは困難なので、設計には注意が必要。

RAIDレベル

RAID0

  • データを分散して並行処理することで高速化。
  • 物理ディスクが増えるほど高速化する。
  • 論理ドライブの容量が高い(1TB×2なら2TBの論理ドライブとなる)
  • 物理ディスクが故障したら論理ドライブのデータは消失する。
  • データが消失してもいい要件出ない限りは一般的に利用しない。

RAID1

  • 同じデータを各物理ディスクに書き込みすることで冗長性を確保している。
  • 論理ドライブの容量は、物理ディスクの合計容量の半分になる。(1TB×2なら1TBとなる)
  • 物理ディスクが1本故障しても、論理ドライブのデータは消失しない。

RAID5

  • RAID0同様に物理ディスクへデータを分散して書き込むが、同時にパリティ(データがおかしくなっても、何とかする的なデータ)も追加して書き込む。
  • 書き込むデータが増えるのでやや遅くなる
  • 論理ドライブの容量は、物理ディスクの合計容量から1本分容量を引いたもの(1TB×4なら(1×4)-1=3(TB))となる。
  • 物理ディスクが1本故障しても、パリティで消失したデータを復元できるので、論理ドライブのデータは消失しない。2本故障したらデータは消失する。
  • 発展型のRAID6もある。

RAID10(1+0)

  • RAID1の論理ドライブ同士をRAID0で構成して高速化と冗長化の両立を実現している。
  • 論理ドライブの容量は、物理ディスクの合計容量の半分になる(1TB×4なら(1×4)÷2=2TB)
  • 物理ディスクが1本故障しても論理ドライブのデータは消失しない。4本構成なら、条件によっては2本故障しても論理ドライブのデータは消失しない。
  • 発展型のRAID50、60もある。

各RAIDレベルの表

レベル 容量あたりのコスト 論理ドライブの容量 最小ディスク数 故障しても大丈夫なディスク数 耐障害性 速度
0 全ディスク合計 2 0 ×
1 ディスク1台分 1
5 全ディスク合計ー1台分 3 1
6 全ディスク合計-2台分 4 2
10 × RAID論理ドライブの合計 4 構成による

サーバがPCよりも重視しているもの

  • 性能
  • 信頼性
  • 可用性
  • 保守性

スケールアップ

・・・性能が足りなくなったメモリやCPUを増設したり、交換をする。もしくはより高性能なサーバに入れ替えるなどして性能を増強する方法。

スケールアウト

・・・性能が足りなくなったら台数を増やすことで、キャパシティを増やす方法。

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