2019-07-29に更新

スキルゼロからフリーランスで月100万円稼ぐまで

読了目安:13分

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どーも!FREERIDER(@svfreerider)です!

振り返ってみると、フリーランスで生計を立てるようになってから4年以上の月日が経っていました。これまで「プロダクト開発」系のネタは散々共有してきましたが、実は「フリーランス」業でも学んだことが沢山ありました。いずれ独立したいと考えてる方や、開業したけど悩んでる方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。

と言っても、ロールモデルとしては適切ではないかもしれません。前提として、「スキルがないまま、フリーランスになった」、「ちゃんと生計を立てられるようになるまで2年以上かかった」んですね。この数年間一度も会社に属した期間はありませんでしたが、職種を変えるという意味での転職は何回も繰り返してきました。その分、遠回りもしましたし、しなくても良かった苦労も経験してきてしまったように思います。

おそらく、理想なフリーランスの始め方は、「本業がありながらも、空いた時間で副業(アフィリエイト、受託事業)を始める。そして、副業で一定の稼ぎがあるようになってから、独立する。」です。自分の場合は、スキルもお客さんもいないゼロから独立してしまったため、収入もゼロでした。収入ゼロは、精神的にすこぶる良くないです。よほど、覚悟があるか、バカか、あるいはその両方でないと、その期間をずっと耐えることはできません...。

ロールモデルにはなりえませんが、「ここは参考になりそう」とメモできる箇所はあるかと。もしくは、現在はスキルや経験がない方でお、こういうことから始めてみようかなというのが見つかるキッカケにもなるかもしれません。まずは、1) 今日までどんな仕事に携わってきたのかを紹介した後に、2) どんな風に仕事を見つけて、3) どんな失敗があったのか、4) どんなことにお金を消費してきたのかについて共有していければと思っています。

職種を転々としたフリーランス生活

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途中、被っている時期もありましたが、ライター => リサーチャー => エンジニア => ディレクターの順番でメインの職種を更新してきました。現在は、エンジニアリングと、ディレクションの仕事が主になっています。どの職種も極めるには至ってないので、何より何が良いというのは決してないのですが、だんだん自分に見合った職種に近づけてきたのかなと振り返ると思えます。

月別収入は大体グラフのような感じです。2016年8月まではデータが残っていなかったので、うろ覚えのデータですが、直近2年は正しいです。フリーランスなので、売上=利益が殆どでしたが知り合いエンジニアと組んで仕事をするようなこともありました。この収入は経費を差し引いたものになります。

ライター時代(2015年5月〜)

会社を辞めてすぐにシリコンバレーへ一年ほど滞在しました。その間、特にやることがなかったので、その日参加したイベントや、出会った人たちとの会話をブログでひたすら配信してました。当時は、日本に入ってくるシリコンバレーの情報の大半が翻訳(二次情報)で、現地から発信される一次情報に価値がありました。

それまで、ブログを書いたことはなかったので文体は最悪だったのですが、取り上げている内容そのものに価値があったため、TwitterやFacebook経由で読んでくれる人が増えました。そんな中で、知り合い経由で「ウチのメディアに書いてみないか?」とお誘いいただくようになりました。一時帰国の際に、複数のメディアの方々と執筆の契約を交わして、ライターとしてのキャリアがスタートしました。最初は新米でしたが、だんだん記事単価が上がっていき、スタートして半年ほどで月10万円くらいまで稼げるうようになりました。とはいえ、依頼を受ける本数も決まっていたため、貯金を切り崩しながらの生活が続きました。

<当時書いていた記事を紹介!>

【オフィス探訪】インターネットの冒険家「Pinterest」のオフィスを冒険!
“便利じゃない”ポストスマートフォン「Runcible」ってなに?
細胞をスキャンして3Dデータにし、病気の究明に役立てる「3Scan」インタビュー

リサーチャー時代(2017年1月〜)

2016年8月〜2017年3月までは、友人とスタートアップにフルコミットしてました。サービスは失敗して、友人は去ったタイミングで受託(フリーランス)を再開しました。「スタートアップに集中するため、受託は辞めます!」と啖呵を切ってそれまでのお客さんに別れを告げていたのですが、「すみません、食っていけないので仕事ください...。」と謝罪して、お仕事のお願いしまくったのを覚えています。

幾つかの会社さんが再び、お仕事をくれるようになりギリギリな生活ができるようになってきました。その中で、お世話になっていたクライアントから調査の仕事があり、未経験でもやらせてもらえるとのことで二つ返事で受注しました。

具体的には、指定されたサイトのベンチマークを定量的・定性的に調べ上げ、資料化する。また出来上がった資料に関する、考察を添えて提出していました。前半の過程では、ライターの時に培った調べてインプット、まとめてアウトプットするスキルも生きて、取っつきやすい仕事ではありました。Webサイトを取り扱う関係で、SEOや広告関連の基礎も学ぶことになりました。

エンジニア時代(2017年8月〜)

受託をやっている傍らで、何とか時間を繕い、自社サービスを作っていました。その際に、プログラミングのスキルを習得して、仕事でも開発の案件を担当するようになりました。簡単なHTML/CSSのコーディングも受けつつ、やったことのないスマホ案件とかも受注してました。

ここで学んだのは「問題解決」する力でした。例え、自分のスキルで解決できなかったとしても、周りのエンジニア友達に頼れば納品できました。スキルだけが仕事ではなく、自分が使えるリソースで仕事をすると幅が一気に広がることを実感しました。なので、自分はコードを書かずに、要件と設計だけを詰めて、知り合いのエンジニアにコーディングを依頼するようなスタイルの仕事も増え始めました。

ディレクター時代(2017年10月〜)

個人開発で何度もサービスをリリースしてるうちに、ディレクションの仕事依頼がくるようになりました。サービスをゼロから着想して、どういう構成で開発し、運用をしてくまでの流れを丸っと調整するお仕事です。リサーチャーで培ったスキルで、仕様書、要件資料を作成し、エンジニアで習得したプロラグミングスキルを頭に踏まえながら指示を出しました。

個人開発をしていたからこそ、開発に必要な情報の整理と、運用を無理なく行なうスケジュール感覚を身につけられたのだと思います。だから、全エンジニアには個人開発をやってほしいです!フリーランス界隈では、エンジニアよりもディレクター不足が深刻のように感じることもあります。また、プログラミングスキルがあるディレクターは重宝されやすかったりもします。

最高月収達した時の内訳

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2017年は100万円前後の収益がありましたが、最高は2018年4月の1,365,800円でした。

・仕様書作成(108,000円)
・調査案件(108,000円)
・ディレクション(216,000円)
・ライティング(81,600円)
・サイト制作 × 2(852,200円)

これに加えて、React Nativeで個人開発スマホアプリを作っていました。ちょっと友人にも開発の一部を外注していたのですが、ほぼ自分で作っていました。当時は、半蔵門でルームシェアしていたのですが、赤坂のジョイフルが24時間で朝方まで仕事して、仮眠取ってまた働くみたいな生活してました。忙しいだけに楽しかったのもありますが、もっと仕事の調整ができる技量を身につけてもよかったなと思います。おそらく、個人のスキルではここまでが限界だなと実感しました。

今は生活費±ゼロ

今の収入は、月2000ドル前後です。海外移住したこともあって、お客さんが仕事を依頼しづらくなったのもありますが、月に使う分だけお仕事できれば十分です。お金なんてあっても使わないし、稼いだ分だけ税金も払わなくちゃいけません。収入ゼロで厳しい時期もあったので、お金の枯渇には今でも怯えていますが、それ以上に大切なには時間です。

忙しかったからこそ、時間をもっと大切に使っていきたいと思えたし、一度フリーランスである程度稼げた経験があると、本当にやばくなったらこうすれば良いという筋道が立てられます。現在は、手がけているサービスで生活してくことに挑戦中ですし、それにはお金よりも時間が必要になります。

どうやって案件を受注したのか

受注するにしても、外注するにしても、クラウドソーシングサービスは一度も使わないまま今日まできました。正確に言うと、登録して受注したいと試みたことは何度もあるけど、スキルセット的に誰も雇ってくれませんでした...。今ある仕事も含めて、仕事を取ってくるよりも、入ってくるような環境に身を置けたのが生き残れた理由なのかなと思っています。

人の繋がり

フリーランスしてる人の殆どが、そう答える気がします。でも、実際に人の繋がりからが圧倒的に多いです。知り合いの紹介や、同じクライアントを持ち案件を一緒にした人がそのまま仕事をくれるようになったり、イベントで出会った人だったり、元を辿れば共通性がないような繋がりから仕事をいただくに至ってきました。

自社サービス経由

元を辿るという意味では、自社サービス経由で知り合った人が圧倒的に多いのかなと思っています。例えば、シェアハウスの検索サイトを運営している時には、都内中のシェアハウス業者に連絡し、数十件以上と打ち合わせをしてきました。そんな中で知り合う方々から、「サイト作ってよ!」、「社内システム作ってよ!」と依頼されるようなことがありました。やたらめったら営業に行くよりも、「こういうサイトを作っていて、力になりたい」と投げかける方が、会ってもらえる確率も高いです。

コワーキングスペース

コワーキングスペースで知り合う方々の紹介や、直接依頼されることも多かったです。同じ環境で長く時間を接していると、途中で蒸発してしまう危険性もないし、きちんと仕事してくれるような人となりも見えてくるようになります。逆に、自身がコワーキングスペースで知り合った友人に仕事を依頼するようなことも少なくありませんでした。

押すより引く方がうまくいく

そして、「仕事ください!」と回るよりも、仕事を依頼したくなるような雰囲気を出すのが大事であるような気がします。自分の場合は、個人開発で作ったサービスをSNSに投稿したりしていました。後は、Qiitaで学んだ内容を記事化することでお仕事の依頼を受けるケースもありました。自分から行くと足元を見られがちになるので、頼みたくなるようにスキルを磨き、そのスキルをきちんと露出していくのが大切であるように思います。

稼いだお金の使い道

生活費を稼ぐのもままならないような時期が続いたものですが、余るくらいに稼げることもありました。とはいえ、入ってくるお金が増えても、あんまり生活は変わりませんでした。食事には一回あたり700円以上はかけたくないし、できれば500円以内に収めたいとずっと思ってきましたが、とはいえ幾らスキルがあっても体が使えなくなったらどうしようもなくなるので、健康だけは気にかけるようになりましたが。住む場所も、なるべく安いところが良かったです。欲しいものも特にありませんでした。

といって、貯金しててもしょうがないなと思っていて、あまりお金自体は残りませんでした。どんなことに使ってきたのか振り返ってみました。

接待交際費

飲みに行く機会も増えました。それから、クライアントやビジネスパートナーと行く際には基本的に自分持ちでした。お金がない頃は、奢ってもらってばかりだったので、なるべく余裕があるうちは出せるようにありたいというのもありましたが、基本的にGiveできるタイミングで徹底的にGiveするスタンスを作るようにしていました。

何か頼みごとをしたい時だけ、露骨に食事に誘ったりすると嫌らしく感じ取られます。自分自身も「こういう時ばっかり。」と思ってしまうことありました。普段から、いろんな人にGiveするようなスタンスを築いておくと、頼みごとがある時も「いつもお世話になっている」が通ります。

飲み会代を支払うだけが、Giveする対象とは思いませんが、普段Giveできるタイミングってそんなに見つからないんですよね。誕生日でもないのに、なんかプレゼントとか渡したら不自然ですし。自然なGiveができる時はGiveしておくのは意識していたことですね。賛否両論はありそうですが!

外注費

自分のプロダクトを開発するにあたって、どうしても技術的に工数がかかってしまいそうな部分は知り合いに外注していました。これも上記のGiveに似ていますが、相手が希望している単価以上を支払うように意識していました。

外注費をケチられたり、値下げされた経験はあって、今でも思い出すと悔しいです。自分の落ち度もあってのことですが、そういう経験もあって外注する際はその人に敬意を支払って、かつ今後も一緒に仕事してくれるような待遇でお願いするようにしてきました。

旅費交通費

自社サービスはアメリカでやりたいと思っていたので、アメリカには何度か渡っていました。行き先も、サンフランシスコやニューヨークなど、物価が高めだったので滞在にはそれなりにお金がかかった記憶があります。

思い出せるくらい重度な失敗

仕事とビジネスパートナーに恵まれたというのもあって、本当に辛かった経験はあまりないです。やっている当時は焦ったことも沢山ありましたが、その場その場で切り抜けられるレベルのことばかりでした。パッと思い出せるレベルの失敗を2つだけ紹介します。

割りに合わない仕事

「ちょっとしたWebサイトのコーディング」と1週間程度で終わると聞いて、軽い気持ちで受けた案件が泥沼になったことがあります。数ページと聞いていたのが、20ページに膨れ上がり、コーディングしてる最中にデザインが変わったり、要件が増えたりすることがありました。

仲介会社を挟んでの案件だったので、こちらの不満を直接聞いてもらうことができないまま、期間的に自分が行なうことができなくなって、知り合いのコーダーに受注した金額そのままで外注したら、そのコーダーも途中で断念してしまい、結局自分が寝ないで納品することがありました。また、先方からの文句がひどく、最終的に値下げまでされて赤字で終わるような仕事がありました。

これで学んだのは、やはりお客さんがどんな人なのかは事前にしっかり調査しておくべきだし、要件や仕様に関する指定の契約もきちんと交わしておくべきだったなと思います。そういうお客さんと縁を切るのは簡単ですが、そういう過ちを二度と繰り返さないような準備はちゃんとするようにしました。

タスク管理の煩雑化

一度、代理で運用しているアプリのミスがあって、窓口を担当されているお客さんが謝りに行くことがありました。その時は、海外に滞在していて、自分が出迎えることもできなくて、かつ時差がある中での緊急ミーティングもあって、辛い日々が続いたのを覚えています。

お客さんから直接叱られるようなことはなかったのですが、余計にそれが辛かったです。しかし、その時、ミスが発覚した時点ですぐに報告するようにしていたので最悪の自体は免れたのかなと思います。フリーランスをしていると、一度に多数の仕事を引き受けるケースも多いので、タスク管理が非常に肝となります。なるべくツールを使用して、自動化することがおすすめです。Zapierとかですね!

スキルゼロから学んだこと

フリーランスではなく、ランスフリーだった自分でも今は生き残れています。だから、フリーランスとして生きていくことが難しいかと聞かれれば言葉には困りますが、こんなゼロからでもなれる職種なんだなと思っていただければ嬉しいです。

最後に、スキルゼロから生き残る上で「フリーランス的」に意識しておくと良いなと思ったことを整理していきます。

固定した顧客と、案件

フリーランスには、ストック型の案件と、フロー型のものがあります。ストックは、人月で契約したり、運営保守という形で、契約が切れるまでは定められた仕事と報酬が支払われるものです。フリーは、単発案件で、Webサイト制作一式とかですね。フリーランスの生活が安定するのは、いかにストック型の仕事を作れるかどうかだと思います。

自分の場合も、人月単価で契約してもらってるお客様が一社いる状態で、たまに単発の案件を受けたりするようにしています。自分の収入のポートフォリオを形成するのは、フリーランスが一番初めにやるべきことになるかと思います。

客観性について

この4年間で一番変わったのは、「自分がどうしたいか」以上に「相手がどうしたいか」を深く考えられるようになった点です。フリーランスは「自分」が商品であって、相手に価値を感じてもらう必要があります。そのために、なるべく自分が相手のために何ができるのかを考えて、提案するようにしていました。「自分にできることがあれば、言ってください!」では、誰も言ってきてはくれません。話した上で、「あなたはこういうことがしたくて、自分にはこれができるからやりませんか。」と持っていかなければならないのです。

惨めだった期間が長かった

告白をすると、ずっと惨めでした。収入がない時期は、神奈川の実家から活動して、両親からも「大学まで行かせたのに、うちの子はニートだ。。」としっかり言われました。お金がなくなると、友人の誘いも断るようになり、周りは見事に離れていきました。惨めすぎて、大親友の結婚式をドタキャンしてしまったのは今でも悔やんでます。

フリーランスになりたいわけではなかった、今でも

お金がないのは惨めでした。でも、夢がないのは感情すら湧いてきません。自分の場合は、フリーランスになりたくてなったのではなく、気づいたらフリーランスになってたパターンです。会社で働いてる時は夢がなくて、毎日何のために生きてるのかも分かりませんでした。

シリコンバレーへ来てみて、こっちで世界中で使われるプロダクトを作ってみたいという夢ができました。その夢だけに集中するだけの環境を整える力はありませんでしたが、4年経った今もなお追いかけています。なので、惨めな気持ちは今でも存分に味わっています。

フリーランスは自分にとって、手段に過ぎません。夢に向かって集中する環境を作るための手段です。そう考えた時に、「フリーランスになるのが目標」ではなく、「こういうことがしたいからフリーランスになる」という風にした方が物事はうまくいく気がしています。

人生は長くても短くても、一回しかありません。それが、明日終わるかも分かりません。そんな一回の人生に対して、自分が掛けられるテーマは何なのでしょうか。「世界中で使われるプロダクトを作る」は、それに値するだけのテーマだと信じて、今日もコードを書きます!

追記

この記事を読んで、FREERIDERにフリーランスについての質問があったり、悩んでいることがある方が万が一いらっしゃったら、「East Hackers」に入会してみてください!入会してくださっている間は、なるべくリアルタイムでDMに答えて、フルコミットでお力になれればと考えています。

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FREERIDER

フリーランスの個人開発者です!主に、Rails、React、Firebaseあたりが好きで使っています。

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