2020-08-04に更新

はてな匿名ダイアリーに文章を書いて、もらえた反応についての考察

先日はてな匿名ダイアリーで2つ文章を書いてみたところ、両方たくさんはてなブックマークしてもらえた。一つは200近く、もう一つは400近くだった。普段技術記事をいくつも書いているがこれだけブックマークされるなんてことはない。そのため大いに承認欲求が満たされたのだが、では内容がそれだけ優れていたのかと言われると全くそうは感じない。意図的なのかたまたまなのかは分からないが、はてな匿名ダイアリーとはてなブックマークの組み合わせにはこんな風にバズりやすく承認欲求を満たしやすい環境がしっかり出来ているのだなと感心した。そのため、サービス開発者視点で思ったことを考察してみたいと思う。

サービスを活性化させるためのユーザーがいる

と、その前に、仕組みよりも何よりも、はてな匿名ダイアリー、はてなブックマークに普段からいる住人の方々の行動力のすごさというか、とにかく何か面白そうなものを取り逃がさないように意地でも見つけよう、という執念を感じた。

というのも、1つ目の文章は2つ目の文章を書くために実験的に書いてみたもので、思いついてばっと書いてそのままたしか21時くらいに投稿したものだった。

どれくらい反響があるのかな、とちょこちょこ見ていたのだが、全く何の反応もなかった。というのも、はてな匿名ダイアリーはとてつもなく流れが速い。投稿したものもあっというまに流れてしまい、トップページから消え去ってしまう。日記だけでなく、コメントも日記データとしてとうこうされるため、とにかく流れが速い。そのため僕の書いたものも、数時間経ってしまい最終的に寝る24時くらいにみてみたが、全く反応がなかった。だめだこりゃ……と思った。技術記事もこの時間に反応がなかったらもうバズることはなかなか無い。次の文章も投稿はやめようと思って眠りについた。

次の日。何も期待はしていなかったが一応ちらっとみてみた。するとブックマークが19ほどついていた。びっくりした。はてなブックマークの人気のブックマーク一覧を見てみると、そこにはなんとその文章が載っていた。これはこのままブックマークが増えていく可能性がありそうだ、と心が踊った。

住人の執念

何にしろブックマークが付き始めたのは僕が寝たあとということだ。住人たちのものすごい執念を感じた。というのも、先程言ったとおり匿名は流れが速い。僕が寝る頃にはかなり日記が流れているだろうと思うので、そもそもページングしてたどり着くこと自体が可能なのか……? という気すらする。それを見つけてくれた人たちがいるということだ。そんなありがたいことがあるだろうか。もしかすると単なる狂気的な執念なのかもしれないが、そこにはまるでどんな日記でも見つけてやるぜ、安心して投稿しな、という優しさのようなものすら感じられた。

実は2つ目の文章は事前に他のところにも投稿して試していた。一つはpixiv小説。読まれた数は2。もう一つはカクヨム。読まれた数は4。作ったものを読んでもらうと言うだけでこんなにも敷居が高いとは。事前に調べてもいたし、そもそも普段書いている技術記事の方も普段あまり読まれることもないので想定内ではあったが。

なんにしろそういった小説投稿サイトは「書く人」が集まるところであり「読む人」が集まる場所ではないと感じた。人気のある人の小説だけが読まれ、それ以外の人たちは人気をあげるためにコメントし合ったりして他のユーザーと交流することで徐々に物書きとは関係ないところで実績を積み上げていく必要がある。ただ書いて、読んでもらいたいだけの人には辛い。

はてな匿名は逆に感じた。「読む人」が大勢いて、そこに「書く人」を求めている。なんて素晴らしい場所だと感じた。もちろん増田は増田の色があるため何を投稿してもウケるわけではないし、書いたものに対して叩かれることも多く安心できる場所というわけではないが。とはいえそういう場所が出来てそこに存在しているということには凄さを感じる。そして読んでくれた人がいるということにありがたさと感謝を感じた。こんなにも安心感のある場所はなかなか無い。ツイートしたって、ここに記事を書いたって、Qiitaやnoteに記事を書いたって、他の小説サイトに何かを書いたって、結局自分の集客力が抜群でない限りは多くの人に読んでもらえる可能性はものすごく低く、ひたすら無力さを感じるだけなのだから。

読んでもらえやすくなる仕組み

もちろん一番強いのは住人たちの執念なのだが、それ以外にも読んでもらえやすくなる仕組みはある。

コメント

その一つはコメント。

そもそもはてな匿名ダイアリーは単なる匿名日記サービス。特筆するような複雑な仕様や仕組みなどはない。しかし、コメントが日記になっている。書いた日記自体は流れてしまうが、誰かがその日記に対してコメントとして日記を書くと、それが新たにTLに流れる。それを見て元日記にアクセスして貰う可能性が高まる。もちろん日記とコメントのTLを別々にしてくれよ、と思っている人も多そうな気もするしそちらの方が更に見やすいような気もするが……。

とはいえ、コメント自体も日記のため、そのコメントも多くの反響を得てたくさんブクマされる場合もあるようだ。そういうのも承認欲求をくすぐるのかもしれない。

ブックマーク

もう一つはブックマーク。はてな匿名ダイアリーははてなブックマークと密接に連動してる。ふざけた内容にこうげきするにしろ、面白い記事にツッコミを入れるにしろ、感動するにしろ、同感するにしろ、なにかしらその気持ちを残すためには日記コメントを書くかはてなブックマークでコメントをするしかない。そのためはてなブックマークの方も伸びていき、匿名、ブクマ両方のユーザーから読まれることになりガンガン伸びていく。

場合にもよるのかもしれないが結構はてブの方でコメントしてくれる人の方が多いように感じた。なぜかは詳しくは分からないが、単純に匿名は匿名のユーザー、ブクマは匿名とブクマユーザー両方が反応する、という人口の違いなのかもしれない。そしてダントツでブクマユーザーの方が多いのかもしれない。とにかく、一度ブクマが増えだすとみんな軽いノリでどんどんブクマしてくれて増えていく。

とにかくこの組み合わせがすごい。過去の履歴を見てみても、匿名ダイアリーの日記は大量にブックマークされている日記が毎日たくさんある。親和性は相当ある。

そのため、ブクマ数は多くても、決して内容がブクマ数に応じて素晴らしいというわけではないことも多い。他のブログなどに書いた記事がそれほどブクマ数が伸びなくても、本来はもっと有益である場合もある。そして、他で書いた記事がはてなブックマークで大量のブクマを得られる場合があればそれはかなりすごいことだという気もした(もちろん内容によるが)。

僕の得たブックマーク数も正直他のバズっているダイアリーに比べれば決して多い数値ではない。他で書いたらほとんど反応を得られないだろうとも思う。

数値によって生み出す盛り上がり

前述のように、とにかくサービス内のユーザーの流れをいい感じにすることで、何かしらの数値を増やしやすくすることができる。ブクマじゃなく、単なるコメントができるようにしてほしい、という意見もありそうだが、サービス的にはそれを取り入れるのは得策ではないことは明らか。とにかくコメントは書けるというユーザーの充実感を提供しつつ、ブックマークの上昇も確保する。そうやってガンガン数値を上げていく。一つの数字が実質的に単なるコメントなのか、本来のブクマなのか、ノリなのか、重みは関係ない。

ユーザーは自分の記事のブクマの数値があがるのは嬉しいし、数値によってバズったという認識を得ることができる。

これはQiitaとかも同様で、トレンドがあることでそこに記事が入ったユーザーはバズったと認識でき、嬉しくなる。そしてサービスの利用がさらに促される。しかしその裏にはもっと有益なことを書いているのにも関わらず誰にも読んでもらえない人たちが大勢いる。必ずしも数値の大きさと有益さが比例するわけではない。とにかく数値を増やすことで、サービスの盛り上がりを作り出している。全体的にアクティブユーザー数が増えていようが減っていようが何も関係ない。いつでも盛り上がっているように見せることができる。

他のサイトのランキングなどもそう。具体的な数値は出していなくても、順位がついていれば上位のユーザーはすごい人になるし、それ以外の人は上位を目指して頑張ろうと思う。逆に言うとユーザーが多くないのにこの仕組みを実現できないと、場合によってはサービスとしては厳しくなる場合もあると思う。もちろんそうしたからといってうまくいくとは限らないが。

なんにしろ当然この仕組みは匿名にも、はてなブックマークにも存在する。変なコメントなどがつかずにいい具合に上がれば上がるほど承認欲求が満たされる。

(当然、あらゆるサービスに必ず適合する話ではない)

まとめ

色々荒れたりもする場所でもあるのではあるが、とにかくたくさん読んでくれてたくさんコメントを付けてくれたことに本当に感謝。作ったものをただ読んでもらうだけでも本当に難しいため、住人たちの熱量が作り出す環境が素晴らしいと思った。

とはいえ匿名ではあるので創作を続けるのであればずっと頼ってそこで安心しているわけにはいかない。ちゃんとやりたい人は普段はなるべく茨の道を突き進んで行った方がよさそう。

何にしろサービスづくりの参考にちょっと見たり使ったりしてみると良いかもしれない。ただしそんな熱量のあるユーザーが集まる再現性は低そうではあるのであまりガッツリ参考には出来ない気もする。

ちなみに参考までに書いた一つはこれ。もう一つは暗いやつなので内緒。

https://anond.hatelabo.jp/20200713214518

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だら@Crieit開発者

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