2019-12-01に更新

マンションベランダに200Lの水槽を作った話

この記事は、farmtory Advent Calendar 2019 の初日です。

夏の趣味として水耕栽培でミニトマトを作るというのをやっていて、その縁でfarmtory-lab というのに誘ってもらいました。衣食住を実現する小さな工場を作る、身の回りで使うものを自分で作る、といったテーマで、レーザーカッターや3Dプリンタはもちろん、ぼくには説明もできないような奇想天外な道具を使いこなして、食べ物はもちろん、服とかキーボードとか家とかお茶とか作っている人たちです。

正直自分はそこまでガチじゃないのですが、レーザーカッターとか好きだし、farmtoryの概念は好きだし、なにより advent calendarが空いていたのでw ぼくがやっている水耕栽培の話をさせてください。

2018年の水耕栽培

2018年は、それ以前から続く大型化の流れを受けて、水タンクと栽培槽に衣装ケースを使って、1本のトマトから150個の収穫を実現しました。
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衣装ケースは、サイズとしてはいい感じだったのですが、紫外線で劣化してある日突然崩壊するという弱点がありました。これがなかったら夏後半もっと収穫できたはず...
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あと、栽培容器としては深すぎて、ポンプで循環させていても思ったほど養液が移動していなかったのではないか?という感触がありました。
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2019年の水耕栽培

これを踏まえて、2019年はこんなふうに考えました

  • 栽培容器に深さは必要でないけど、紫外線で劣化しない何か他の容器を見つけてくる必要がある
  • 水タンクは、引き続き大容量化したい。去年は茨城県の庭で水道が使えたけど、今年はホースで水を引っ張るので、大容量タンクがないと毎日水を運ぶのが大変。

衣装ケースより大きくて、プラスチック以外の素材できていて、安価に手に入るもの...

世間的に事例を見ていると、スタイロフォームや角材を使って自作する人が多いようです。しかしそういう素材は大きく重いので、都会で車なしベランダ水耕栽培という成約でやっているうちには適さないのです...

プロには専用の容器があるのですが、こんなものを自宅で受け取って、ベランダに通じる窓を通せるとは思えません...

image.pngスイコー ホームローリータンク 200L (レモン)

栽培容器を作ろう

ということで見つけてきたのがこちら。
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image.png (特大ポリ袋)

ワイヤーラティスで枠を作って、袋貼れば水を貯められるだろ、という作戦です。

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適当にワイヤーを曲げて針金でつないで、車の遮光用シート(100均)の上から袋はって出来上がりです。これだと光が差し込んで水が濁ってしまうので、さらにぐるっと遮光シートで覆います。

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棺桶っぽい...

水槽を作ろう

最近の水耕栽培は、トマトが根を張る栽培槽の他に、養液を貯めておくタンクを別に設置してポンプで回すことにしています。
トマトがどれだけ根を張るかで収穫が左右されるので、できる限り根を張るスペースを確保したい、そのためには可能な限り大きな容器が望ましい。
そして大きく根を張ったトマトはとんでもない量の水を消費するので、その消費に耐えられるサイズのタンクも必要になります。

経験的に夏最盛期の水消費量は20L/日。20Lのタンクだと1日たりとも給水を休めない(=旅行が許されない)ことになるので、手間を考えると一週間、140Lはほしいところです。

ワイヤーラティス作戦で行くとしても、140Lの水を貯めておける袋が必要になります。そんなもの...あったw

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タンスも入る超特大ポリ袋

一枚1700円と決して安くはないですが、農業用タンク をベランダに搬入するよりはずっと現実的です。

ラティスを針金で止めて枠を作って

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内側にプラダン、外から遮光シートを貼り付けます(プラダンがないと、袋が網目に押し付けられることになっちゃうので、たぶんそこから破けちゃうというアドバイスを頂きました)

そんなこんなで出来上がった水槽がこちら。

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2m×40cm×40cm、貯水容量はなんと200L。二週間近く耐えられる安心仕様!
ここからポンプで水を汲み上げて、栽培槽に給水。栽培槽でトマトが飲みきれなかった分は下から養液層に戻るようになっています。去年より薄くて養液が行き渡りやすくなりましたが、根を張るスペース自体は十分に確保されているはずです。

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運用

で、水を入れてみた写真がこちら

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やばいw

明らかに水圧で歪んでます。とは言え夏も近づき、新作を作っている暇はなさそう。仕方がないので、半分のまでしか水を入れない安全運転にすることにしました。

成果

収穫数は、去年を大きく上回る433個に達しました。大型化させて栽培槽を薄くする作戦がうまくいったのかなと思っています。
ただ、(写真撮り忘れたのだけど!)終盤にあけてみると、幅いっぱいに根が張る一方、末端の方は届かなかったみたいなので、来年は深さと長さ維持、より幅広で作ってみるのがいいのかなと考えています。

惜しむらくは、8月の末にポンプが故障して、その事に気づかないまま一週間以上が経過してしまった結果、樹がすっかり傷んでしまって、9月の残暑に収穫ができなくなってしまったことです。あれがなかったら500個いけたのに...

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IoT監視は後回しにしていたのですが、さすがにそろそろ考えたほうが良さそう。

2020年の計画

プロから見るとびっくり安価な素材で作った水槽なのですが、意外と行けるので、補強して来年も使おうと思っています。

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アングル材で補強してあげれば、水圧にも耐えられるはず。

でもって、作り直した栽培槽をアングルの上に配置すれば、2階建てでかっこよさそう。
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あと、野放図にトマトを伸ばした結果、ベランダから溢れ出して下の階にご迷惑おかけしそうだったので、慌てて引っ張り上げることになったので、ここはなんか考えないといけません。
プロだと、庭の真ん中に作って東屋みたいに育てるのが主流なのですが、

image.png(農業用栽培槽で自作水耕 配管について2)

ベランダは前からしか日が差さないので、栽培可能な体積が限られるのですよね。どんな棚を作ればいいのか、考えているところです。

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daisuke furukawa

おひるねのできるフリーランサー。「モバイラーズオアシス」の中の人でもあります。

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