2019-06-18に投稿

ユーザーヒアリングのすすめ

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はじめに

より良いプロダクトづくりをするために、ユーザーヒアリングはすごく大事だと言われています。ユーザーヒアリングをしていると思わぬ見落としに気づくことができたりして、例えば、Twitchは初期に相当数のユーザーにヒアリングをしたそうですが、その中でユーザーにとってもっとも深刻なことはTwitchが「Team Liquid Star Craft」のファンサイトで掲載されていないことだったとか。そんなコアなこと自分たちでやっていたら分かるはずもなくて、ユーザーにヒアリングして初めて理解できることもあるってわけです。

じゃあ、ユーザーヒアリングってどうすれば良いのでしょうか?個人開発を初めてすぐの時は、ユーザーヒアリングが大事であるだけを鵜呑みにして、とにかく登録してくれたユーザーにアポイントを取って、できるだけ対面で会うようにしました。それを一年続けた結果、Facebookの友達数が増えただけで、代わりに生き残ったサービスは一つもありませんでした。

実際のところ、周りの話を聞いてもまともなユーザーヒアリングをするのは大概難しいように思います。まず、プロダクトがない状態だったら、ユーザーがいないので(ユーザー)ヒアリングになります。もちろん、ユーザー、それもただ登録しているだけの人ではなく、ヘビーユーザーに意見を聞けることが一番理想です。しかし、プロダクトを作ったり、ユーザーがつく前からヒアリングってしておきたいものですよね。

どんな人がヒアリングの対象になりうるのか?

ヘビーユーザーがいない場合のヒアリング対象は、3パターンあるかなと思ってます。分かりやすい例があるといいと思うので、Airbnbを取ってみましょ。一応説明すると、Airbnbは、自分の家で空いている部屋を宿泊施設に旅行客に貸し出すことができるシェアリングエコノミー です。

競合他社のプロダクトを使ってる

Airbnbがスタートする4年前から、似たようなサービスでCouchSurfingというのがありました。CouchSurfingとAirbnbの違いは、取引に際して金銭のやり取りがあるかどうかだけで、基本的に空いている部屋を旅行者に明け渡すという意味ではほぼ同じユーザー体験を提供していたといえます。CouchSurfing人は、すでに知らない人の家に泊まる/知らない人を泊めるのハードルをクリアしていて、Airbnbのユーザーにもなる可能性が高いですよね。じゃあ、「どうやったら、乗り換えてくれますか」って聞けば良さそう。

すでに代替手段を用いて、行為を習慣化している

少し競合の部分に被るところもあるかもしれませんが、Airbnbが始まる前からAirbnbぽいことをしている人たちはいました。Craiglistは、中古家具の売買や、部屋探しなど生活にいまつわる掲示板として有名なのですが、要するに人と人で自由に取引を行ってたのですね。そこで、Airbnbのように知らない人の家に数日間宿泊するようなことも行われていました。彼らは専用プラットフォームがないから、仕方なく、別のサイト(今回でいうCraiglist)や方法(代替手段)で補完していたわけですね。そういう人なら自分のサイトのユーザーにもなってくれそうですよね。

プロダクトによって解決される問題を抱えている

プロダクトがなぜ成立しているのかといえば、何かしらの問題を解決しているからです。Airbnbでいえば、住んでいる家にいらない空きスペースがあるけど、有効活用できないという問題(ホスト視点)を解決していることになります。こうした家に過剰スペースを持っていて、「どうするか・・・」と考えている人たちにヒアリングしても何か見えてくるものがありそうですね。

どんなことを聞けば良いのか?

ユーザーと話すときに勘違いされがちになっているのが、アイデアを検証するために色々と用意してしまうことです。「これはしますよね?」、「あれはしますか?」とまるで誘導尋問のように質問をして、YESと答えれば、「よし、仮説は検証された!」と思ってはりきってしまうパターンです。ユーザーと話す最大の目的とは、そこからアイデアを得ることです。話していくなかで、もっと使ってもらえそう、改善した方が良いなと思うことを書き留めていくのです。

実際に会う場合には、質問事項とかを用意しなきゃ失礼かと思うかもしれませんが、大事なのはユーザーがどんな人なのかを知ることだったりもして、雑談をしているくらいの方が良いアイデアを思い浮かぶかもしれません。ユーザーがどんな生活をしているか聞いて、この隙間の時間ならサービスを使ってもらえるかもしれないと、相手の話をヒントに組み立てていくんです。

もう普通の人ヒアリングはやめよ

アンケート的なものと、ヒアリングは別物ですね。アンケートって、何万何十万の意見を集計して少しは説得力が出てくるかもですが、周りの友達数人に聞いたことってアンケートでも何でもなくて、もちろんヒアリングでもありません!

一度、友人にペットのSNSを作るからヒアリングに乗ってくれと言われたのですが、ペットを飼っていない僕にそれを聞いても何にも参考にならないですよね。というか、むしろ雑音が反映されてしまうので、かえってマイナス効果が強いんだと思います。

一般的な機能や、パッとした見た目について聞くぐらいは良いと思いますが、サービスの根幹に関わるところを普通の人に聞くのは危険です!万人受けするサービスを作るのは後で良いので、まずは最初の100人に愛されるサービスを作っていきましょ。

一番のユーザーはあなたであるべきかも

Aribnbの例に戻ると、彼らはサンフランシスコという立地で高い家賃を払うことに苦しんでいました。だったら、「ロフトの空きスペースにマットレスを敷いて、お金を稼げるんじゃないか?」と思いつき、実際にそれで人を募集したところ、泊まる人が現れたことからサービスをスタートしました。

まずは、自分が緊急性の高い問題を抱えていて、他のやり方で何とか補完しているけど、これでは不足だと感じていることがないか考えてみませんか。それを解決するプロダクトを作るなら、ユーザーヒアリングは最初のうちは自問自答すれば良いわけですからね。モチベーションも高まりながら、プロダクト開発を続けられるはず!

さいごに

ちょっと今日の記事は「こうすべき!」みたいな強調が多くなってしまったかもしれません。。僕自身がこれまでユーザーヒアリングに失敗してきたので、ちゃんと失敗から学ばなきゃなとずっと思ってきた分、そういう口調になってきたかもです。どのパターンが正解かどうかは、それぞれのケースにもよると思うので、参考程度にしていただければと思います!

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