2019-07-22に更新

まだフリーミアムで消耗してるの?

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個人開発のゴールに、「プロダクト開発だけで生活する」があります。いずれ会社化して事業を大きくしたい、こういうビジョンを成し遂げたい、人それぞれ違うスタートから走り出しているものの、それだけに集中できる環境を作ることはマストの条件になるんじゃないでしょうか。

置かれている環境にもよりますが、月々30〜50万円くらい収益化に成功すれば、それ以外の仕事は辞めても問題ない状態になりそうですかね。プロダクト開発で収益化すると、会社みたいにボーナスをもらえることはないですが、リソースをそこに注ぎ込める分だけ右肩上がりに成長していくはずです。何より、誰からも指示されずに、すべての決裁権を持てる自由な運営ができます。

自戒も込めて、好きなことで食べていくには、好きなものだけ作っているだけでは遠回りになってしまう話をしていければなと思っています。ただ、ここで紹介することは、あくまで自身の経験や、様々なサイトから学んだことであって、全て正しいわけではありません。強いて言うならば、「FREERIDER流」のプロダクト開発ってことになります。プロダクト開発で成功するスタイルは幾らでもあるだろうし、だからこそ色んな型を知るべきだなと。

マーケットサイズ < ビジネスモデル

個人開発をやるか、スタートアップ(エクイティ型)をやるかで、やや戦い方に違いが出てきます。スタートアップは顧客と向き合う上に、市場の可能性と出会う必要もあります。利益自体が足りていなかったとしても、ここ数年の間に市場が伸びていくことを証明できれば、投資家からそれまで事業を育てられる資金が提供される、選択肢があります。しかし、個人開発はそれがないため、Day1からお金を稼ぐ必要があります。

だから、ビジネスモデルが第一にあって、マーケットサイズは二の次となります。例えば、Pieter LevelsNomad Listという、ノマドしている人たちが行く土地土地で、情報交換をしたり、アクティビティを楽しむためのコミュニティを作りました。ノマドは多くなってきていますが、世界中を転々としているノマドはまだそこまで多くはありません。彼ら向けのメディアを作りGoogle Adsenseで稼ぐのでは不十分でも、一人一人に年間60ドル支払ってもらえるビジネスモデルであれば、100人の会社を養えなくても、個人がちょっと豪華に暮らすサイズとしては十分です。

つまり、市場がめちゃくちゃニッチでも、ちゃんと一人あたりの顧客単価に適正な値付けができれば、ビジネスモデルは成立します。そういう観点から考えれば、100万人に使ってもらおうなんて考える必要はなくて、誰も分かってくれないけど、自分はこれがすごく好きなんだ!っていうくらいのものがアイデアとしては丁度良いんだと思います。

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世界最大の個人開発コミュニティ、Indie HackersではSubscription-based(購読型)が圧倒的に多く、全体の約45%です。ついで、ECやマーケットプレイスの仲介手数料が得られるTransactionalとなっています。主にはソフトウェアや、Nomad Listのようなコミュニティを月額で提供するビジネスモデルを好んでいる傾向にあるということになります。

マーケットプレイス型をやろうとすると、まず、第一に鶏と卵の問題にぶつかり、同タイミングで両サイドの需要供給を満たしていくのはリソースが限られれている、個人開発ではハードです。個人開発のフリマなんかは、まさにその問題にぶち当たっていて、売り手を増やさなければサイト価値が上がらない一方で、買い手も探さなければ収益は上がらない。どっちも手付かず!みたいな状態になりがちです。

一方で、開発会議Botcampのようなコミュニティサイトをスタートすると、SEOやコンテンツ勝負になってくるので中長期戦になることが確定します。マネタイズもそれだけ後に入ってくるため、それまでやり続ける必要があります。よほど、これに対して強い想いをもって、やらない他ありません。マネタイズする前に心折れることもあるでしょう。

例に出した、フリマと会議も、少しずつアップデートして、ユーザーにとって唯一無二の場所になれるように頑張ってはいるものの、投資的なサービスになりつつあります。すぐに結果を見るというよりは、じっくり気づいたところを反映するみたいに進める予定。

「プロダクト開発だけで生活する」ゴールに一番近いのは、やはりSubscription-basedです。今、フリマ、会議、East Hackers、Botcampと、4つサービスを運営していて、おそらく、フリマが一番認知度は高いと思います。売上も確かに一番あります。ですが、平均的な月の利益を生み出してるのは、East Hackersなんです。East Hackersは、シリコンバレーを拠点にしている起業家や、開発者たちと一緒に、プロダクト開発を進められる月額20ドルのオンラインコミュニティです。まだ、試行錯誤してますが、有料購読されてる方はいます!

Subscription-basedを個人開発者がやるべき理由は下記です。
1) 同じリソースで倍稼げる
1つのプロダクトで、1人使う人がいれば10ドル、10人いれば100ドル、100人は1000ドル。でも、ランニングコスト自体はそこまで変わりません。なので、ユーザーが増えるほど収益も増える、それでいて、コストはそこまで変わらないので、リソースが限られている個人には向いています。

2) マネタイズで悩まない
一度購読したユーザーが購読停止する率を下げる、新規ユーザーを増やす、この2点を守れれば堅調に伸びていきます。マーケットプレイスだと、鶏と卵問題を解決したり、メディアだと広告の配信方法と、頭を悩ますことばかりです。

個人開発をしてる方の中には、いずれ会社化を見てる人も少ないと思います。正直、僕もスタートアップしたいです!個人開発者のビジネスは、ゆくゆくスタートアップになりうるのかということなんですけど、答えはYESです。スタートアップにしかできないアイデア(最初、お金にならないアイデア)は、個人開発のアイデアにはなりえないですが、逆は全然ありえます。先程、挙げたNomad Listを例にあげるとしたら、横展開か、縦展開すればいけると思います。具体的には、ノマドだけでなく海外を出張してるビジネスマンまで対象を広げる、もしくはノマド向けの居住地/オフィスを貸し出すサービスをやるなどです。要するに、スタートアップをやるにしても、個人開発するにしても、Day1から収益化を目指すのは正解のはず。

とにかくリリースする

「◯ヶ月に1回はサービスを出す!」、個人開発を始める人がいればこのルールを決めてからスタートすると良いです。Pieter Levelsの12ヶ月で12のサービスをリリースするは、刺激的です!多く出せば良いというわけではない、という批判の声が聞こえてきそうですが、個人開発にいたっては、多く出せば出すだけ成功確度が上がる気がします。そして、そのPDCAは短期間に多く回せれば回せるほど良いですね。1回や、2回サービスをリリースして、ユーザーがつかなくて、「個人開発向いていないな。」と思って止めちゃう人が多いと思うので、最初から具体的なルールがある方が良い気がします。

そして、出す度に何が上手くいったのか、上手くいかなかったのかを記載しておくと良い気がします。できれば、ブログ、Crieitとかオススメです。誰かに伝えなきゃいけないと思った分、学んだことを整理する機会になるし、他の方から「こうした方がいいんじゃない?」と意見をもらえたりもします。何なら、個人開発者はコードと、ブログを書くのだけを最初はやっておけばコツが掴めるようになるんじゃないかなとかも思ったり。

こんな状態でリリースしたら、バグが起こって迷惑かかるんじゃないか...。少し恥ずかしいくらいがリリースのタイミングです!一つのサービスが上手くいかなかったからって落ち込む必要も、恥じる必要も全くなくて、自分も毎回、派手に転んで、そのサービスを軌道修正して再リリースしたり、全く新しいサービス作ったり、とにかく前のめりにやってきています(笑)

アイデアの拾い方

アイデア大会は失敗する

頭の中だけで考えたアイデアは、ほぼ確実に失敗します。アイデア以上に大切なのは、アイデアと開発者との相性です。みんなの総選挙は、誰もが簡単にランキングを作成することができるTwitterカードベースのアプリですが、思ったより伸びませんでした。その理由は、頭の中で「これ良さそうじゃない?」と考えたアイデアで、おそらく自分との相性が良くなかったからです。

結局、総選挙はフリマで売却され、自分よりも相性の良い方の手に渡ったと考えています。年齢層若めで、エンタメ、旅行とかが好きな層に受けそうだなと思ったのですが、そういうタイプの方々は自分とは真逆で、とても自分がやり続けていくには限界を感じました。購入した方はそういう層への知見が深く、アフィリエイトが得意で、これからの戦略を聞いた時、上手くいきそうだなとつくづく感じました。

いわゆる「アイデアマン」的な人たちは、ビジネスのゼロイチ場面では空回りしがちです。キャンペーンや、プロモーションで使うには良いのかもしれませんが、頭から出るアイデアには全く価値がありません。

アイデア=コミュニティ

個人開発は作るのではなく、探すことから始めましょう。就職活動中の大学生じゃないですが、自分探しに似ているかもしれません。自分が何なのかを調べる上で、一番簡単な方法は周りを検索することです。いつもLINEやメッセンジャー、Twitterでやり取りしてる人たちがどんな人なのか考えればいいだけです。

自己分析をするよりも、周りの人がどんな人なのか調べる方が簡単だし、よほど浮き彫りになってきます。自分の場合は、圧倒的に開発者が多かったんです。だから、おそらく当分は開発者、あるいは何かに挑戦しようと思っている人たち、特に海外で、こういう人たち向けにしかプロダクトを作ることはできないんだと思います。そして、プロダクトを作れば、ちゃんとその人たちは評価してくれるはずだと信じています。

自分にしかできないこと

とはいえ、世の中には沢山のプロダクトで溢れていて、ほとんどの問題というのは既に解決されているものです。まさに、便利な世の中ってやつです!そういう市場の中で、キラーになってくるのが「自分にしかできないこと」は何かということ。

これからEast Hackersを盛り上げていきたいと思っているのが、まさにその理由でして、たまたま去年グリーンカードが当たって、会社に勤めず、シリコンバレーでフラフラしてる日本人なんて、おそらく自分くらいなんですね。一方で、何年もシリコンバレーに滞在したくても、滞在できずに悔しい経験をしたことを考えると、日本にいながらシリコンバレー的な環境にアクセスできるプロダクトを作れるのって、自分にしかできないことなんじゃないかなと思うわけです。

胸を張ってサービスを出そう

ノルマに縛られない

ノルマを作っても、ノルマに縛られないのが、上手く続けるコツです。毎日コードを書く、毎日コンテンツを更新するってのは響きはすごく良いんですけど、プロダクト開発を成功させるのが毎日それを続けることだとは限らないじゃないですか。

毎日、愚直に打ち込んで続けるよりも、大切なのは「何が成功に効果的なのか」を考えてやり続けることです。時間には限りがあります。ノルマばかりに集中してしまって、考えることをなくし、やって得られるのは満足感です。もちろん、続けることは大前提で大切、でも、考えながら時にはそれを止める決断ができることは、もっと大切なんですね。

100人に愛されるサービス

Airbnb創業者の言葉に、100万人にサインアップされるのでなく、100人に愛されるサービスを作ろうとあります。サービスを開発し始めると、これもつけたい、あの人にも使って欲しいとアイデアが沢山浮かんでくるかと思います。でも、大切なのは、最初の100人が「こんなサービスに出会えて生きてて良かった」と、Twitterにツイートしたくなる、ブログで紹介したくなる機能を作ることです。

胸を張ろう

「プロダクト開発全然上手くいかない。」、「もうやめようかな。」という、ツイートをたまに見かけます。止めようと思ったことはありませんが、悔しかったり、恥ずかしいと今でもたくさん感じて、プロダクトをリリースし続けています。

例え、プロダクト使われなかったとしても、何か新しいものを生み出したり、他の人が飲み会したり、Youtube見ている時間を削って、プロダクトを作るために一生懸命取り組んだって、それだけで胸を張って良いことなんじゃないかなと思ってます。

いまだ、旅の序盤にも関わらず、偉そうに綴ってしまいました。個人開発なんて、いろんなやり方、考え方あるし、成功パターンも沢山あるはずです。だから、一つのスタイルとして、この記事を流し読みして、参考になりそうなところだけ、引用してくれればなと!

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FREERIDER

フリーランスの個人開発者です!主に、Rails、React、Firebaseあたりが好きで使っています。

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