StudyCode #5 技術と好奇心 参加メモ

StudyCode #5 技術と好奇心 参加メモ

法律はなぜITに冷たいのか

発表者:伊藤太一さん
本職は裁判官(法律に基づいて弁護士職務を経験中)

法律の二つの側面

「行為規範としての法律」「裁判規範としての法律」の2つの作用がある。

行為規範としての法律

法を犯すとペナルティがあるからやめておこうという、犯罪行為を抑制するための作用。
「将来」を向いた前向きな使い方。
一般の人がよく使うのはこっち。

裁判規範としての法律

犯罪行為の後、事後処理のツールとしての作用。
判決を介して強制執行可能。

「過去」を向いた後ろ向きな使い方。
捜査機関がよく使うのはこっち。

捜査機関の発想

客観的証拠から入る……が当たり前のように見えて、実は関係者外の人とは大きな認識のずれを生むことがある。

なぜそうなるのか

行為者の目線は主観→客観(行為規範としての見方)
捜査側からすると客観→主観(裁判規範としての見方)

客観から見ると言うこと

街中で銃を持っている人を観たら客観的に「危ない」と思う。(わかりやすい)

でもITは「悪意のあるマルウェア開発」と「善意のためのマルウェア開発」は見た目上は同じように見える。

「客観面」ってどうやって決めるの???
そこで出てくるのが「社会通念」。

Magic word "社会通念"

最近話題の「コンピュータの通常動作に対する一般人の期待」は?

  • Youtubeの広告はOK?
  • 消えないバナーはOK?
  • CoinhiveはOK?
  • JavaScript imitationはOK??

ITは日進月歩の世界で線引きができない。

(例えばセキュリティ界隈の中だけでやる、などのような)Closedな環境であればあえてmaliciousなものを流すのはOK(同意があると考える)。

でもOpenな環境では…… → 「一般人の通念」を判断しないといけない
→ 結局、裁判官が主観で決めるしかないんじゃないの?
 → よくわからない

#### じゃあどうすればいのか
外形だけでは意図がわかりづらい。

客観→主観のアプローチを逆手にとるしかない
→ 主観面を明示化するしかない。自分がどういう意図でやってるのか、をOpenにする

つまり「悪意がないことの明示」すればいい?
でもそれを明示するということは「開発者は危険性があるという認識を持っている」と見られてしまうかも。
→ 決まった解は今ない
→ 業界標準やルールを定めていくことに効果があるかも。

現状は主観面でしっかり守るしかない。
主観を客観化しておきたい。

政治はなぜ技術を潰すのか

発表者:坂井崇俊さん
山田太郎参議院議員の元公設秘書

政治家って思ったより人間くさい。
政界に入る前は「政治家はすごいブレーンから情報を聞いて冷静に判断していく人たち」思ってたが実は、自分達の支援者や秘書という狭い範囲内で見聞きして判断する。

技術と政治に関するニュース

  • Winny
  • Coinhive
  • ループプログラム補導事件

政治が技術を潰す例はいくつもある。

政治家の世界

Twitterの世界と永田町の世界は断絶している。

なにかイベントがあったとき、人を集める方法としてFAXを使うのが普通な世界。

政治家は、ばっさり言ってしまうと、「票」と「カネ」(+信条)で動く人達。

法律ができるまでの流れ

  • 省庁で法案骨子作成
  • 審議会・調査会
  • パプリックコメント募集
  • 法案作成
  • 与党事前審査
  • 国会審議
  • 公布・施行

基本的に下にいけば下に行くほど変えにくくなる。

法律の運用方法

  • 裁判
  • 議員の働きかけ
  • 世論

の三点をもとに「省庁の通達」がでて、現場での運用に落ちる。

警察の構造

警察は実は法律から遠いところにある。
警視庁・都道府県警は国会内閣→国家公安委員会→都道府県公安委員会を経て伝わる。
(立法の意図が伝わりにくい構造になってる)

圧力団体

票とカネをバックに(政治家を経由して)行政に働きかけ、政府から法律通達を出させる。
あまり良いイメージはないが、議員からすると国民からどれくらいのサポートが得られるかを図るための指標になる(民意を知ることができる)。

政治家にアプローチするには?

実は議員は国会で質問するためのネタを探している。
(自分のアピールポイントになるし、自分の信条に合えばそこまでハードルは高くない)

こんなテーマだと喜ばれる

  • タイミング性
    • 法案審議のタイミング、省庁から報告書が上がったタイミング、事件が起きたタイミング
  • ニュース性があるか
    • みんなニュースに出たい
    • 国会で質問のための「パネルを持つ役」はすごい人気がある
  • 支援してくれている人に喜ばれるか

政治家や官僚が新しい技術が嫌いな理由

  • 何となく怪しいと思ってる
  • 自分には関係ない
    • ノリでサマータイムやっちゃおうみたいな人たち
  • 事故・事件が起きたら責任を問われる
    • 変えた結果何か起こったら責任が発生
  • 既得権者が反対する
    • エンジニアは票やカネに結びつかないと見られてる(票が可視化されてない)
  • 議員は規制を作るのが仕事

日本とアメリカの法律の違い

  • 日本は「やっていいこと」が書かれている
    • (新しい技術が出たときに、書かれてないのでできない)
  • アメリカは「やってはいけないこと」が書かれている
    • (新しい技術が出たときでも、書かれていないからできる)

提案

勉強会の分科会として小委員会を作ったらどうか。
- エンジニアの地位向上
- 技術的視点に立った法律問題の解決
- 技術者の立場から考える法律の課題・問題

議員会館って意外と簡単に勉強会を開ける(平日だけだけど)。
→ (FAXで)議員に勉強会の告知を出せば、議員や秘書が来てくれるかも

JavaScriptで人生が変わった話

発表者:松田光秀さん
フリーランスエンジニア

家出少年→とび職→高校入学→jQuery→起業→フリーランス。

23歳で高校に通ってjQueryにハマり、その後ひたすらバイトしながらオープンソースライブラリを思いついて起業。
その後、JavaScriptで自由視点映像を作って、その後お金に目が眩んでフリーランスへ。

今はHACKER'S JAILをやろうとしている。
→ エンジニアのための私塾。
HACKER'S JAIL

感想:問題が地味に面倒だった。(3問目とか)

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