2019-06-03に更新

「個人開発のフリマ」で第一号サービスが売却されるまで

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※ Facebookグループは販売できませんでした。現在、返金処理を行なっています。この記事では、Facebookグループを販売していますが、実際にはできません。ご了承ください。

一昨日、「個人開発のフリマ」をローンチしました。個人開発のフリマは、個人開発やスタートアップで作ったサービスをフリマ感覚で売買できるマーケットプレイスです。嬉しいことに、既に多くのサービスを掲載して頂いたり、Twitterで話題にして頂いたりしました。

そんな中、出品していたサービスの中の一つが売れました。売れたサービスは、「【FBグループ】Couch Surfing Tokyo」です。出品者は自分で、かつFacebookグループなので、いわゆる個人開発と呼んでよいかは疑問は残りますが、ともあれサービス経由で売れた第一号となりました。

今回は、第一号のサービスが売却に至る、つまり「個人開発のフリマ」で初めての売上を形状するまで、そして、「個人開発のフリマ」をローンチするにあたって、考え抜いた点とちょっとしたポエムを添えてお届けできればと思います。

売却に至るまで

まずは、第一号がサービスに売却に至るまでを簡単に説明していきたいと思います。

サービスについて

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2013年に開設したFacebookグループでした。当時、Couch Surfingという、訪日旅行客を自宅にボランティアでおもてなすアメリカのサービスが流行っていました。僕もヘビーユースして、2ヶ月で50人とかを宿泊させ、自身が海外へ旅行する際も使っていました。まだ、東京のコミュニティがなかったのに気づき、Facebookでグループを作成しました。それから、サービス自体はあまり使わなくなったのですが、いわゆるFacebook内のSEOが強く、グループには月に20人程度の申請があり、現在は1800人を超えていました。

彼らの特徴は、直近、日本へ来ることが確定している旅行客なので、観光系もしくは、国際系のサービスをやる時にはちょうど良いマーケティングツールになるかなと思っていました。実際、そういうサービスを始めようという時にユーザーインタビューとかすぐにできました。だから、同じように観光・国際系のサービスをやろうと考えている人に有効利用していただければなと思い、9000円で出品しました。

交渉から売却へ

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計4回のやり取りで交渉が確定しました。買い手の方はランゲージエクスチェンジ系のサービスをされており、グループに入っているユーザー層に興味を持っていただきました。まず、実際にFacebookグループに入会していただき、納得いただいた上で契約内容を確定、そして契約書に同意をしていただきました。口座へは後日振り込まれることになっています。

サービスは売れるかもしれない

もう自分は使っていないものでも、他の人から見ると価値のあるものかもしれない。これこそ、近年興隆しているフリマの真理であって、ビジネスの領域でも実現するのではないかと思います。現にその事例を一つ生み出すことができました。

しかも、売れたのはFacebookグループです。コードは一行も書いていません。今回は、「グループに既に多くの人が入っていて、かつ自動的に投稿や人が入っている仕組み」に価値を見いだせていただけることになりました。

「個人開発のフリマ」リリースにあたって

少しだけ、ポエム的なことを書かせてください。

想定する買い手の属性

「個人開発のフリマ」は、マーケットプレイス型のビジネスです。鶏と卵問題にぶつかるのですが、時間がかかっても鶏を集められることには確信がありました。「開発会議」をやっていたからです。開発会議は、2ヶ月半前にだした個人開発やスタートアップの知見を共有し合うコミュニティサイトです。そこで、個人開発者にインタビューをするコーナーを設けていたのですが、ここで実際に10数名の方と通話でお話をするたびに、「サービスを出来ることなら売却してみたい」というアイデアを持った方々が多くいることが分かりました。

実際にユーザーの声から聞く言葉ほど、確信を持てることはありません。だから、鶏は時間がかかっても集められるだろうと考えています。問題は、卵です。

卵となりうる買い手には、幾つかの仮説を持ってサービス構築に臨む必要があります。そこで3つのパターンに分けてみました。

1) 該当サービスのデータに興味がある
2) 該当サービスのようなサービスを作りたい
3) 開発者その人に興味がある

まず、1) ですが今回のパターンがそうです。サービスが持っているユーザーやコンテンツに興味を持ってくれれば、買い手はそれに値するお金を出します。サービス売買における王道パターンですね。次に、2) は受託でエンジニアをしている上で気づいたことです。大抵、ゼロからWebサービスを作る場合、何百万円とかかります。しかし、似たような機能のサービスをフリマから買い上げて、少しカスタムして実装するなら、お得に自社サービスの出来上がりを実現できるかもしれません。最後に、3) はいわゆるロックアップです。アメリカではよくあることですが、サービスと開発者を何年か縛りで自社に所属してもらうために買収します。

答えは出ていませんが、僕の理想は2) です。買い手の獲得はサイトだけでなく、営業も必要になってくると思うので、様子をみながら舵を切っていければと思っています。

サービスの情報を全開示

サイト売買を目的としたサービスでは通常、すべて「〇〇を取り扱うメディア〜」という表記で交渉が始まるまではサイト名が隠されるのが普通です。その理由は、買い手と売り手の直取引を避けるためです。そういう意味では、「個人開発のフリマ」は業界的にエポックメイキングな方法を取っています。

業界的に新しいことをしたかったのではなく、メディアとして機能させる必要があったからです。売り手が値付けをする際に、このサイトはこれくらいの価値なんだと、比べたり、サービスを発見する場所としても機能できれば面白いと思いました。売り手は開発や運営のプロであって、必ずしもM&Aのプロではありません。サービスを業界として盛り上げていくためには、情報の透明性は不可欠だと感じました。

直取引に対する懸念は、エスクローという仕組みで解決できると思っています。売り手は本当に譲渡されるか不安、買い手は本当にお金が振り込まれるか不安を、これから積む実績とノウハウを持って解決できれば全ては無理でも、だいたいは防ぎ切れると踏んでいます。

名前の由来

自分でも安直すぎて笑えるのですが、これしか思い浮かびませんでした。「開発会議」に続き、この「個人開発のフリマ」を作った理由が個人開発界隈もう少し世の中にスポット当たれば良いなと、フリーランスやYoutuberみたいに「個人開発者」もメジャーな職業になれば良いなと思ったからです。

ポジショントークではないですが、ものづくりを個人でやっている人であれば誰しもがそう思っているのではないでしょうか。個人開発をやる人が増えて、ノウハウが然るべき場所に溜まっていけば、業界が盛り上がるし、良いモノが増えれば世の中が盛り上がる。開発会議も、個人開発のフリマも正解の形かは分かりませんが、誰かがいつかやることで、少なくともそれに気づいた人には挑戦できる権利があります。

でも、実際名前についてはもし一般化していく上で問題が出てくるようなら、後で変更してもよいかなとは思っています。

おわりに

思ったよりも言及されていませんが、サービスを売るのは悪かどうかについて書きます。

Rus Yusupov氏は、僕が大好きな起業家の一人で、8秒動画のVineをおよそ半年でTwitterに売却しました。しかし、2016年にVineはサービスを終了。それに対して、Rusのツイートが物議を醸しました。また、SnapchatのEvan Spiegel氏も、スタンフォード大の卒業スピーチで「金と天秤にかけられて、売りたくないものに命を賭けろ」と、Facebookから30億ドルの買収オファーを断った話をしています。

サービスを売ることが悪という文化は確かにあります。ただ、起業家や個人開発を生き方と考えれば、「売却」はその起業家たちに新しい選択肢を与えることにもなります。Rus氏はVineを売った後に、一昨年くらいから流行り出したライブQAアプリの先駆けである「HQ Trivia」を生み出し、世の中を沸かせました。Vineを売ってなければ、HQはなかったかもしれません。

会社員として初めて給与を受けた時、フリーランスとして初めて稼いだ時、個人開発で売上が上がった時、そしてサービスが買収された時、同じ金額でもその価値は全く違うように感じます。そして、「お金を稼ぐ」は中毒的です。価値を生み出し、それが認められることはきっと一度やったら止められなくなるんだろうなと思います。

かなり脱線しましたが、「開発会議」、「個人開発のフリマ」どちらもこれからが楽しみなので、どうぞよろしくお願いいたします。

追記

本記事では、Facebookグループの販売を行なっていますが、後ほどそれはFacebookの利用規約違反にあたると判明しました。この度は、調査不足ながらサービスを公開してしまい大変申し訳ございませんでした。現在、返金処理を行なっています。


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フリーランスの個人開発者です!主に、Rails、React、Firebaseあたりが好きで使っています。

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