2019-04-19に更新

今年はちゃんと個人開発やった元年だった

今年は今までと違い、僕の個人開発に関するあらゆることが大きく変わった1年だった。個人開発がうまくいかず悩んでいる方が共感できる部分もあるかもしれないので、具体的にどういうことがあったのか振り返りながら書き進めてみる。

今まではどうだったか

去年までの個人開発に対するスタンスは正直ひどいもので、いかに最低限の労力で楽してお金を稼げるか、ということばかりを考えていた。

というのも、僕がインターネットをはじめた2003年頃はまだインターネット上には新しいものばかりが広がっていた。そのため何か新しいサービスが出るとすぐに人気になり、それを作った人のことを考えては一気に大金持ちになり羨ましいな、と思う人生を送っていた。その度に僕は「僕がもうちょっとはやく気づいて作ってれば…」ということを考えていた。

そこで僕も実際に手を動かして色々と作るようになった。

最初に作ったのはサービスでも何でもなく、アフィリエイトサイト。お小遣い系のアフィリエイトサイトが流行りだしたので自分もその流れに乗った。思い切りうまくはいかなくても月10万くらいならやれるかもしれない、と思って。しかし結局はほとんど稼ぐことはできなかった。うまく行っている人たちは同じようなことをやっている人たちの中でほんの一握りの人たちというだけだった。

アフィリエイトから足を洗ったあとはWebサービスづくりを始めていった。ファッション系のSNS、レンタルCGI、ブログサービス、デートプラン作成ツール…。しかし何一つうまく行かなかった。

その後mixiがソーシャルアプリをはじめた。まだ開拓されていない分野で色々な会社が参入をはじめた。日本ではまだ新しい領域だったため、ユーザーの食いつきも良く課金率も高かったように見えたた。そのため、それっぽい感じのものを作れば絶対成功すると思い僕も法人化して参入してみた。

ネココレースというネココさんを育成してレースをするというソーシャルっぽいゲームを作り、アバターとして有料アイテムを販売したりしてみた。でもやはりうまく行かなかった。

その後テラバトルというゲームがリリースされ、爆発的な人気になった。全体的にクオリティは高いのだが、ゲーム自体は凄くシンプルだった。これなら僕が作ったものもうまく売れるのではないかと思い、試しににたようなものを作ってみた。

自分自身集客が下手だというのはこの時点で気づいていたので、集客に困らないようYahoo! mobageとスマホのmobageでハイブリッドリリースした。しかしやはりだめだった。10連ガチャなんて一度も回されなかった。諦めきれず他にもネイティブで直接ゲームやアプリをリリースしたが、それらも全てうまく行かなかった。

ここまでで多分7~8年くらい。(もちろん他の事にハマったりして何も作ってない時期もあったりする)

サービスを作ることは止めなかったが、ペースは落ちていってたような気はする。なにより、段々と自分に対して期待を抱かなくなっていたように思う。とはいえぱっと急に何かアイデアが閃いて、もしかしたらうまくいくかも…と思うことは時々あったのでその度に作り続けてはいた。

個人開発を始めた時は、いつか大ヒットするサービスを作って、お金持ちになって、家族みんなで不安もなく楽しく過ごす、そんな未来を夢見ていた。でもやはりうまくは行かない。自分では一生成功することはできない、それが当然、だって僕が作ってるんだから、という想いが心を占めるようになっていった。

転機

とはいえ、趣味でもあるので、なんだかんだでサービスを作り続けていた。ふと急にアイデアが思い浮かび、「もしかしたらいけるんじゃない!?」という気持ちも時々湧き上がったりするため。それで去年の年末は「ヒットするまで色々作り続けるべきなのでは!?」と思いたち Elixir & Phoenix を使って「ひたすらサービスを連続で作り続けよう」というモードに入ってとにかく立て続けに開発を続けていた。

そんな中、実際にお金を稼ぐための手法はどこかに転がっていないか、という事を考えていて、且つそのころSlackが流行っていたので、もしかするとマネタイズをうまくやれる人が集まったSlackグループがあるのではないかと思い探していたところ、その名の通り「個人開発者マネタイズの会」1 というものを発見した。ずっとソロ活動をしており人と関わるのは得意ではなかったが、ワラにもすがる思いで参加させてもらうことにした。

そこはどちらかというとみんなで頑張ろう、というグループだったので、一気に何かがうまくいく、ということはなかったが、でも一人でやっているよりはみんなで切磋琢磨頑張れる方が安心感があった。サービスをリリースした時もアドバイスを貰ったり、逆にしたりすることで各々が学びがあった。

その後のある日、急にTwitter上で「運営者ギルド」2 なるSlackグループが発足した。サービス運営者が集まるグループ。とにかくWebサービス運営についての情報がたくさん欲しかったので、見つけ次第すぐ参加した。

そこは運営のスダさん達がすでに若くして自社のサービスで生計をたてており、参加者の中にも自社サービスで頑張っている人など、参加した当時から有益な知見が飛び交う場所だった。ただそこにいるだけで有用な情報と学びを得ることができた。

一番大きな学び

その中で一番有益で、大きかった学びがあった。それは「努力すること」

別に努力することを知らなかったわけではない。むしろ僕は技術インプット大好きWebエンジニアだし努力して前に進むことが大好きなので人一倍努力はしていた。

でも、僕の中ではWebサービスの運営については努力をしても実ることはないもの、というものになっていた。

自分の目から見えるWebサービスの成功者というのは、とてもキラキラしていて、みんな若くて、初めて作ったサービスでいきなりバズって大成功していて、生まれながらの勝者みたいなイメージが強かった。だから、僕は一人の人間としてはキラキラした魅力があるわけではなくむしろ根暗で近寄りがたく、どんなサービスもうまく広めるだけの影響力もなく、その勝者達とは程遠い存在だった。

でも、スダさん達のサービスは成功させるまでに1年以上かかっており、そのあいだ自分たちでコンテンツを作ったりサービスを改善したりを繰り返すという努力をしていたという。そもそも、成功するまでにもそれ以上のかなり多くのサービスを作り、失敗を繰り返していた。

ぱっと見キラキラした成功者というイメージがあるかもしれないが、全くそうではなかった。努力の元に成功が成り立っているという、ごくあたりまえのことだった。

それから、色々と日々得る情報のなかで、そういった努力の元に成り立つ成功例がよく目に入るようになっていった。世の中に溢れているものは、キラキラした特別な存在ばかりではなかった。ただそういうものばかりに自分の目が向いていただけなのだった。また、自分が勝手にそういう苦労に目を向けずに表面上のキラキラしか見ていないだけだった。

最初に書いたとおり、安易に簡単にお金を稼ぐ方法があるのではないかと考えて努力を放棄してしまっていた。それが全ての敗因だったというのが今ならわかる。

もちろんそもそもサービスを作ること自体がある意味努力ではあるのだが、その最小限の努力だけで必ず止まってしまっていたということが一番の問題。思い当たる部分は本当にたくさんある。

もっとこうすれば便利なんじゃないか、というところは作ってないし、ユーザーが何を求めているかなんて考えられていなかったし、とにかくクオリティを放棄して最低限のリリースのみをめざしての開発だけを行っていた。それでうまく行けば棚からぼたもち。そう、僕は成功ではなくずっとぼたもちを追いかけていた。それで世の中の成功している人を羨むというのは本当に愚かなことだった。

もちろん自分が勝者達とは程遠い存在というのは間違っていないかもしれない。でも、Webサービスを成功に導くためにひたすら努力するという一番大事な道標を、幸いなことに今年得ることができた。正直この1年で出会ったすべての人たちには、感謝してもしつくせない。全員から非常に多くのことを学んだ。

ひたすら突っ走り始めた

そもそも元々今年はガンガンサービス作ろう、ということをはじめていたので、引き続きとにかく個人開発に時間を費やしていた。その中でこのCrieitというサービスを開発した。

でもCrieitは今までと違うところがあった。それはサービスの育成に励むこと。

今まではサービスを作成しても、人が来ないとすぐ放置していた。そもそも集客力がないから何をやってもうまくいくわけがない、と諦めていた。また、サービスのアイデア自体に魅力がないから全く人が集まらず、それ以上もう何もできることはないと思っていた。

でも実際にはそうではない。誰かが使いたいと思ってくれるサービスにするためにひたすら励むことが必要で、集客も一気に成功させるわけではなく、徐々にサービスを育成していく必要がある。すぐに諦めずに、目的に向かってちゃんとやることが大切。そのあたりまえのことを、ようやく初めて進める事ができている。Crieitは一発バズらせて当てる系統のサービスではないので、今ひたすら育成している。

(もちろん、明らかに誰も、自分すらも使うのが億劫というサービスは厳しいと思う。実際去年「一人もくもく会」というサービスを作ったが、だんだんと自分でも何のために使っているのかわからなくなる、というサービスもあり、そういうものは事前検証が乏しいか、大きくサービスの道筋を変える必要はあると思う)

あともう一つ違うところとして、最小限の状態で公開すること。

特にファッションSNSを作った時などは顕著だったが、リリース前に必要だと思ったものを全部作りこんでしまっていた。自分の思い込みで勝手に色々と機能を作ってはいけない。どういう機能が必要かは、ユーザー視点で考える必要がある。そのため、最初から勝手に作り込まず、なるべく最小限の状態で公開した。中途半端な開発に見えるかもしれないが、生まれて初めてユーザーと手を取り合うための、最初の1歩だった。

また、それ以外にも並行して色々と他のサービスを作成している。やはりひとつのサービスだけでは不安だし、色々なターゲット向けのサービスも作りたいから。(それにエンジニア向けサービスだけというのは結構辛い。土日あまり人が来ないし…)

幸いなことに運営者ギルドにも、マネタイズの会にもサービスを上手く流行らせている猛者たちがいて、ただ参加しているだけでどうやってサービスのアイデアを考えたほうが良いか、どうやってサービスを上手く回していったらよいかを学ぶことができる。それらから色々と吸収することで、徐々に自分のサービスのアイデアや改善のための考え方も、クオリティが上がっているような気がする(実践してないので勘違いしているだけの可能性大だが)。

とにかく今年は学び中心の年だったのもありまだ何も形にはできていないが、来年にはどこかで渾身の一撃のサービスを生み出したい。(とはいえ、流行らなそうなアイデアも相変わらずたくさん浮かんできて、且つ作りたくなってしまうので困る)

まとめ

そんなこんなで今年は生まれて初めてちゃんとした個人開発をやった元年だった。本当に素晴らしい年になったと思う。

世の中にはたくさんの個人開発者がいて、みんなそれぞれ苦悩したり、その中で頑張ったりしていると思う。それぞれのストーリーが日々流れ続けている。だからそういう人たちに向けて、僕は言いたい。

カレンダーはまだ空いている、と。

Crieit Advent Calendar 2018


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だら@Crieit開発者

Crieitの開発者です。 Webエンジニアです(在宅)。大体10年ちょい。 記事でわかりにくいところがあればDMで質問していただくか、案件発注してください。 業務依頼、同業種の方からのコンタクトなどお気軽にご連絡ください。 業務経験有:PHP, MySQL, Laravel, React, Flutter, Vue.js, Node, RoR 趣味:Elixir, Phoenix, Nuxt, Express, GCP, AWS等色々 PHPフレームワークちいたんの作者

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