一人スクラムをしようとしてスクラムについて学習してやっぱりやめた話

カイゼン・ジャーニーという本を読み、その中で言及されていたスクラムフレームワークについて興味が湧いています。

カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで(市谷聡啓 新井剛)|翔泳社の本

The Scrum Guide

このスクラムというフレームワーク、個人での開発にも適用できないかと思い色々と調べていたのですが、やはり同じようなことを考える人もいるようで、実践されているブログをちらほら見かけました。

個人スクラムをはじめてみる

一人スクラムをためしてみた – 経営とIT

ぼくも一人スクラムをやっていくぞと思い、スクラムについて学習しつつ考えてみたのですが、 スクラムへの理解を深めるごとに一人スクラムの効果について懐疑的になったため、 私の考える一人スクラムについての問題点をまとめることにしました。

スクラムを一人でやるとうまみが少ない

スクラムフレームワークとはそもそもチームでの作業管理を行うためのフレームワークです。
スクラムのセオリーとして重要視されているのが 「透明性 (Transparency)」・「検査 (Inspection)」・「適応 (Adaptation)」 という三つの要素であり、これらをテーマに一人スクラムを考えてみます。

透明性 では「プロジェクトで利用する用語」や「完成の定義」などをチーム内で共通化するべきだと説いています。ただ、一人で行なっている時点で共通化はされている(できない)ため、スクラムの重要な面がスポイルされることになるでしょう。

問題の検知を行うための 検査 も一人スクラムでは非常に難しいものとなります。というのも、作業を行う人間が自分一人であれば、検査を行う人間も自分一人となるのです。作業担当者とレビュアーが同一人物であると言えば、どれだけ不毛なことイベントとなるかは明白でしょう。

ただ一つ適応については問題ありません。振り返りを行うことで、進捗の問題に対する改善点を踏まえ、次回のスプリントに臨むことが可能です。

さて、一人でスクラムを行なった場合「振り返りを行うことで改善を繰り返すことができる」ようになります。やりました!ただ、これってスクラムっていえるのでしょうか?

スクラムでの役割分担の重要性

スクラムではいくつかの役割を設定しています。

プロダクトオーナー は開発チームから生み出されるプロダクトの価値の最大化に責任を持ちます。
スクラムメンバー は「完成」したプロダクトインクリメントを届けることのできる専門家です。
スクラムマスター はスクラムガイドで定義されたスクラムの促進と支援に責任を持ちます。

ここで重要なのは、スクラムでは特定の役割の人間が他の役割の作業を行うことを認めていません。例えば、プロダクトオーナーが開発したり開発の仕方に口を出すのは望ましくありません。プロダクトオーナーはプロダクトの価値の最大化に責任を持っており、その役割に集中することでプロダクト価値を保証することができることがスクラムとフレームワークの存在意義の一つとなります。フレームワークとは特定の目的を達成するための骨組みであり、それらを守ることで初めて意味が生まれます。

もちろん、目的やチーム背景によってはそれらルールを変更する必要はあるかもしれませんが、変更するたびに目的達成のための複雑なファクターにほころびが出る可能性があることを忘れてはなりません。一人スクラムでは役割がないため、複雑なタスクに対応するためのスクラムフレームワークの意味合いがかなり薄まることになります。

ただただスクラムの練習をしたいということであれば、一人でそれぞれの役割を分担することでその目的は達成されます。
プロダクトオーナーしての作業を行うときは「俺はプロダクトオーナーだ......」と心の中で唱え、プロセスの優先順位を変更する場合には「プロダクトオーナー!優先順位を変えたいのですが。」「フムフム、それはどういう理由かね?」というように一人芝居を行えば、素晴らしい練習になるでしょう(本当に練習になるはずです)。

一人スクラムで期待できること

一人でスクラムを行うことの問題点を上述しましたが、それでも得られるものはあるかと思います。

スプリントプランニングではこれからのスプリントでどういったことをするべきかを決めます。私が通っていた学校では夏休みには常に計画表を作るように言われていました。計画を立てるのは本当に大事なことなのです(それに気がついたのは学校を卒業して仕事でこっぴどく怒られた後でしたが)。

計画ができたらスプリントの期間を決めてプロセスをガンガンこなしていきましょう。スプリントのたびに進捗の確認を行い、必要であれば見直しを行います。

デイリースクラムを毎日行えば、問題があったとしてもすぐに調整を行うことができます。素早い改善は素早い完了につながります。

さて、一人スクラムでも得られるものがあることがわかりました。「計画と定期的な振り返りと日々の現状確認を行う」ことができればバッチリです。ただ、これってスクラムでしょうか?

こう考えると、スクラムというものはチームのための複雑な問題解決のフレームワークだとわかります。 一人でスクラムをやったとしても、それはスクラムの用語を使った丁寧な作業 なのではないでしょうか。スプリントプランニングもスプリントもデイリースクラムもチームでの知識共有・問題解決・作業最適化などを目的としたものであり、それ自体の行為がスクラムではないのだと私は思います。

一人スクラムの可能性

スクラムを踏襲した一人スクラムについて考えましたが、私には思いつきませんでした。
もしかすると一人スクラムをされている方で「こうすればスクラムのうまみを保ちながら作業できるよ!」という意見があればぜひ教えてもらえると嬉しいです。
ただ、やはりプライベートでのイベントも生産性をハックしていきたいという気持ちはあるので、個人用のオレオレフレームワークを作っていこうという気持ちが高まりました。自分のためのプロセスマイクロフレームワーク、作っていきましょう。


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