2019-10-10に投稿

【個人開発】直近一ヶ月でProduct Huntに出したプロダクト6選

読了目安:10分

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スタートアップや、個人開発に取り組んでて最も辛いのは何だったかと聞かれれば、「プロダクトが信じられなくなった」瞬間と答えます。これが世の中を沸かせるんだ、人生を賭けて打ち込んでいくんだと決意を固め進めてきたけど、余儀なく諦めなければならない時が沢山ありました。誰に咎められるわけではないけど、繰り返していくうちに、自分自身も信じられなくなります。全世界から否定されたくらいの悲壮感に陥るものです。

しかし、起業家である以上は解決されるべき問題に取り組むべきであるし、であるからこそ、顧客はお金を払うし、チームは付いてきてくれる、メディアは取り上げる、投資家は出資するエコシステムが周り始めるのです。プロダクトを閉じるのは辛い、慣れるものではありません。それから、次のプロダクトが見つかるまでの期間、精神的にすごく追いやられれます。

課題がないのが課題

正しいプロダクトのアイデアを持たない起業家にとって、課題がないことこそ課題という状況が生まれます。巷の起業家仲間たちの間では、これを「ライダープロブレム」と呼んでいます。これは、私自身(フリーライダー)がアイデアを探す際に、ひたすら周りの人たちに「最近、困っていることはないか?」と聞いて回ったことに由来しています。(笑)

課題がないのが課題、これは決して珍しいことではなく、起業を考えている人たちを10人集めれば5,6人は、このサイクルに悩んでいるような気がします。課題を探すために、近くにいる人たちに困っていることがないか聞く、メッセンジャーで何か助けようかと押しかける、こうしたアプローチの方法は間違いで、返ってくる答えに期待できるものはないと言えるでしょう。

その理由は、スタートアップが解くべき課題は大抵、顕在化されたものでなく、まだ表象化されていない場合がほとんどであるからです。Paul Grahamは、「課題を探すのではなく、課題を見つけられる人間になれ」とエッセイで説いています。じゃあ、どうやったら課題を見つけられるような人間になれるのか、同エッセイの後半で「未来に生きて欠けているものを作る」と続けられています。

「未来に生きて欠けているものを作る」。しっくりくるパワーワードであるものの、例えばどんな未来が思い描かれるべきなのでしょうか。ロボットが人間の代わりに接客をする、ARで町中の風景がデジタルになる、ブロックチェーンで基軸通貨の概念が変わる。パッと思い浮かべる未来はあるものの、自分が取り組めるべきアイデアになりうるかの判断は難しいです。

自分が生きる未来に必要なもの

スタートアップのアイデアを考える上で過小評価されがちなのが、創業者自身の存在です。なぜ、自分がやるべきなのか?もっと言えば、そのアイデアを実行する上で、世界で一番相応しい人物は自分であるかどうか?これを何度も自問していくと、アイデアの価値を唯一無二のものに仕上げていくことができるはずです。

これまで、アメリカでスタートアップを立ち上げたくて、全てのリソースをそれに捧げてきました。たくさん失敗もしてきたけど、自分なりに考えて夢へ近づける方向を選んできました。だけど、ここにきて初めて、「スタートアップ」という概念を一切、自分の中から取り払った時に残るものは何だろうかと考えることにしました。起業家ではなく、私個人が欲している未来、生き方とは一体何なのだろうかと。

こうして、微かに見えた2つの未来がありました。一つめが、全人類がリモートワークになること。10ヶ月前に生活の拠点を、日本からアメリカに完全に移しました。その前から、数ヶ月単位でアメリカを行ったり来たりしてるものの、何の不自由もなく、リモートで働くことに成功しています。私のようなフリーランスに限らず、これから先、どんな会社においてもリモートが導入されていくことは遠くない将来、必ず起こることです。

次に、全人類がクリエイターになりうる未来です。Webの開発に限って言えば、オンラインでは無料のプログラミング教材が揃い、安価で通えるスクールも多く、一方で、No Codeと呼ばれるプログラミング不要でプロダクトを作れるツールも登場しています。何か作りたい!と思った時に、低コストで、何でも作れる環境をすぐに用意できます。全人類と言わずとも、今よりも格段に作り手の人口は増えていくでしょう。

じゃあ、この未来に生きてみよう!ここから半年の間は、自分の好きなように生きてみるのが最高だ!と、改めてみました。2つの未来を見据えた上で、何かしらやってみることにしたのです。アメリカ中を転々としながらリモートワークして暮らしてみようか、それとも、ひたすら作ることに集中してみようかと、どう過ごそうかを考えてみました。両方やってみるのも良いのですが、とりあえず、選んだのは後者でした。理由はシンプルに、旅をするよりも、プロダクトづくりに夢中になっている時間の方が好きだったからです。

20週で20のプロダクトを出す

そう結論が出たのは、9月1日。アメリカで作りかけていたオンラインサロンっぽいサービスは閉じて、開発会議、個人開発のフリマたちの売却締結もほぼ終わったタイミングでした。それから、一ヶ月のニューヨーク滞在も控えていたので、何というか「自由」を感じました!

どうせ取り組むならルールや、企画を立ててみようと思い、「20 PRODUCTS IN 20 WEEKS」と名付けたプロダクトをスタートしました。これは、タイトル通り、20週で20のプロダクトを出し続ける決意表明になりました。プロダクトを出すスピードには自信がある私でしたが、さすがに20週連続には未知を感じました。

20と決めた理由は、ちょうど半年を考えた時にキリの良い数字だなと思ったからです。それ以外に強い理由はないのですが、30だと多すぎて深く考えずに行きあったりばったりのアイデアを出してしまい、こなすことが仕事になってしまいそうで、逆に10だと既に思いついてるアイデアだけで終わっちゃう気がしたからです。

どんなプロダクトを作ってきたのか

9月1週からスタートした企画なので、今日までに6つのサービスを出してみました。振り返りの意味合いも込めて、一つずつここで紹介していきたいと思います。

Profiler

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Twitterアカウントのレビューサイト。Twitter認証でログインすると、自動でアカウント専用のレビューを受け付けるページが作成され、自分自身へのレビューを募集できます。人脈を広めたり、最新の情報を取得する上で欠かせないTwitter。でも、どのアカウントをフォローすると有益なのか、結構悩みもあります。Airbnbや、Yelpがあれば、利用する前に口コミで判断できるのに、どうしてTwitterにはそれがないんだろうと思い、作ることにしました。

余談ですが、これと似たサービスでpomeruがあります。mixiの紹介文をTwitterで焼き増ししたコンセプトで、なかなかバズった思い出があります。ローンチする前に、一緒に作ったケンタさんと、紹介文に「星評価をつけるべきかどうか」を議論しました。最終的に、作ろうとするプロダクトの思想から外れるので不採用となり、その判断こそ正しいと今でも思うのですが、星評価があってもリアリスティックで面白いのではないかという発想も捨て切れませんでした。それもあって、第一弾はこれに決めました!

関連リンク:
Profiler
Product Hunt

Seat Surfing

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カウチサーフィンの相席版。カウチサーフィンは、Airbnb以前に、旅行先で現地の家に宿泊できるコミュニティを提供していたサービス。金銭のやり取りはなく、完全無料のホスピタリティサービスでした。学生時代には、小さいマンションの一室に、多い時で月50人とか泊める程にヘビーユーザーでした。逆に、泊まりにいった体験もありました。

その体験を、宿泊ではなくコワーキングで代用できないかと考えたのが、SeatSurfingです。よく使っているカフェや、家で仕事してるならリビングの写真を撮影して、一緒に作業しませんかと募集できるページを簡単に作れる機能を提供しています。予約や、実際にコワーキングに至るまでのやり取りをサイトで行えます。

関連リンク:
Seat Surfing
Product Hunt

Tutorial List

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プログラミング学習用のチュートリアルを揃えたサイト。私は元々エンジニアではなくて、今でも技術力に自信はありません。それでも、プロダクト開発を今日まで続けられているのは、何かをゼロから作る技術力ではなく、模倣できるサンプルコードを探す調べる力に長けていたからだと思っています。

ある程度の基礎があれば、チュートリアルや、ベストプラクティスに当てはまる記事を写経すれば、動くものが出来上がります。ですが、こうした参考文献を探すのって案外大変だったりします。これを解決するために、チュートリアルまとめサイトを作った感じです。

関連リンク:
Tutorial List
Product Hunt

Comakers Match

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最近、誰かと何かを作るというのをやっていません。いずれはチームを作って、プロダクトを育てていきたいと考えているのに、もはや個人が癖になりつつあります。これではいけないと思い、準備でもないですが、現地の人たちと一緒にプロダクトを作りたくなりました。

でも、なかなかパートナーを見つけるのって大変です。それに適したサイトがないからです。そこで、「自分がどういう人間で」、「どういうプロダクトを作ろうとしていて」、「どういう人と組んでみたいのか」を入力すると、募集ページが生成されるサービスを作ってみました。

関連リンク:
Comakers Match
Product Hunt

Visa Stories

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海外に移住したいと思い立って、まずビザの壁とぶつかります。これは日本人に限ったことでなく、現地で出会う外国人全員が共通して抱えている大きな悩みの一つです。「どんな種類のビザで滞在しているのか。」、「どういう経緯で取得できたのか。」の情報交換しているのをよく耳にしてきました。

これをもっとインターネットで情報を蓄積していくことはできないものか、と作ってみたのがVisa Storiesです。どのビザをどうやって取得したのかについて、それぞれ匿名で投稿できるサイトになっています。久しぶりに、Railsでなく、ReduxとFirebaseで作ってみました。

関連リンク:
Visa Stories
Product Hunt

Highprofile alert

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キーワードを入力すると、個人のタイムラインでそれを含むツイートが投稿された時に通知してくれるツール。よく海外で有名な起業家が「東京に向かいます!」とか、「日本のイベント参加します!」とかツイートしてるのを見かけるとテンションが上がり、よくリプライを飛ばして、「お茶でもしませんか!」と提案してました。実際に、これ経由で出会って、今でも仲良くしてくれる創業者の方もいたりします。

ただ、ずっとTwitterに在住してるわけでもないし、フォロー数が多くなると、本当にキャッチアップしたいツイートは埋もれたりしてしまいます。そこで、個人のタイムライン限定でリアルタイム検索するツールのアイデアを思いつきました。

Twitter全体でキーワード検索するのはZapier、IFTTTでもレシピの用意があるのですが、全然知らない人の東京旅行ツイートは要らない情報だし、すごい通知量になりそう。探してもこのニーズに合致するものがなかったため作るに至りました。

Highprofile Alertは、本日(10/10付)でレースに参加しているので、それぞれ投票のご協力お願いします🙏🙏

Product Hunt:https://www.producthunt.com/posts/highprofile-alert
Reddit:https://www.reddit.com/r/SideProject/comments/dfufys/highprofile_alert_notify_you_when_people_you_want/
Hacker News:https://news.ycombinator.com/item?id=21211818

おそらく、20はやらない

週一でリリースし始めて一ヶ月が経つのですが、想像以上にシンドイです。終わったら休む間もなく、次のプロダクトを作り始めなければなりません。なんというか、無理をしている状態になってきたようにも感じています。

20というルールは自分で決めたましたが、おそらく来週にでも破ることになるはずです。それか、週一というペースを崩したり、20まで作らずに途中で別のことに取り組み始めるかもしれません。「20週で20のサービスを出しました!」みたいな、読者受けの良さそうな記事を書くためにやっているわけでもないし、自己満足のためにやっているわけでもありません。

何より、ここ一ヶ月取り組んできた結果、気持ちの良いサービスを出し切れているとは思えません。出すこと自体が目的になってしまっている反省もあります。だからこそ、もっとより良いプロダクト開発をできるような環境に設定を変えていく必要性があると思っています。

10年以上続けられるか

最近よく思うのは、目の前にあるこのプロダクトは10年以上生き延びられるかどうかです。一つのプロダクトが未来を作るために、少なくとも10年はかかる必要になります。Airbnb、Dropbox、その他ユニコーンと呼ばれる企業たちは、近年急成長をしたように見えますが、実際には10年近くの月日を経ています。それを前提に考えれば、10年かそれ以上続けられるようなプロダクトに出会わなければなりません。

10年後も人々が変わらず抱えているような課題は何なのか、また、10年以上自分自身が愚直に続けられるような課題は何であるのか、そういうフィルターをかけることによって、本当に取り組むべきプロダクトが見えてくるような気がしています。

その他のことも20%くらいはやる

これまで、ヒト、モノ、カネのうち、モノだけに全リソースを割いてきました。モノが全てだと思っていたし、モノの成長こそがヒトとカネを引き寄せてくれるものだと信じて、今日までやってきました。今でも、その考えは変わっていません。

しかし、これからは全体の20%くらいは、その他のことにも少しずつ費やしていきたいなと考えています。現地で知り合った起業家仲間も増えてきたので、彼らのアクティビティにも積極的に参加するようにして、モノが成長し始めた時にすぐに相談できるような、信頼できるヒト(チーム)や、カネ(投資家)との関係もゆっくりと築いていきたいなと考えるようになりました。

応援してください🙇‍♂️

正直なところ、技術力も大したことないし、英語もままならない代物に過ぎません。多方面において、もっと努力と工夫が必要であることも重々承知しています。でも、自分なりに頑張ってきたし、おそらく今後どんなハードシングスが待ち受けていようとも絶対に諦めるつもりはないです。

でも、頑張ったから、諦めなかったから上手くいくほど、世の中、特に世界を狙うとなると合理的でもないと思っています。だから、もし「あ、プロダクト出してんじゃん。頑張ってるな。」と少しでも気づいてくれた人がいたら、Product Huntで投票してくれたりTwitterでリプしてくれたりすると、すごく嬉しかったりします!

せっかく、世界にプロダクトを届けるという、壮大なチャレンジをしているので、応援という形で、これを読んでくれている一人でも多くの方が参加してくれるとありがたいです。力になります。そして、ちゃんと結果を出すまでプロダクト出し続けます!

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FREERIDER

フリーランスの個人開発者です!主に、Rails、React、Firebaseあたりが好きで使っています。

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