2019-07-19に更新

開発者が支援し合う文化を作りたい

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このごろ、開発者が支援し合う文化を作りたいなと思い始めています。例えば、「こんなサービス作りました!」、「ぜひ使ってみてください!」とツイートを発見すると、登録して使ってみるとします。個人開発を体験して、サービスを出して苦しんだ経験のある人であれば、興味のないサービスだったとしても、使ってフィードバックをリプしたりするかもしれません。もしくは、サインアップしなくても、リツイートや、引用リツイートくらいはするかもしれません。

開発者コミュニティの中では、応援し合う文化は出来上がっていると思います。ただ、まだ「支援し合う」文化は生まれていないんじゃないかなと。ここでいう、支援という言葉には、お金によるコミットを含んでいます。個人開発者のサービスに課金したり、パトロンサービス経由で月額で資金を提供する感じです。

Levels Fund

世界で最も影響力のある個人開発者の一人、Pieter Levels氏は5月に「今年は100人以上の開発者を支援する!」とTwitterで宣言しています。添付している画像をみていると、MakerLogを作っているSergio Mattei氏や、昨年ProductHuntでMaker of the Yearに選ばれたAndrey Azimov氏など、海外の開発者界隈で有名な顔ぶれが並んでいます。

ゆくゆくは、年間約1,500〜3,000万円を支援するために、1億円は稼がなきゃなと続けています。もはや、VCレベルの資金提供ですが、個人開発はスタートアップと違って、Exitがあるわけでもなく、リターンも彼らが提供できる範囲に限られるので、儲かるわけではありません。

Pieterが個人開発者を支援するために、使っているプラットフォームは「Patreon」です。Patreonは、仕組みは「クラウドファンディングの月額版」なのですが、コンセプトはまるで異なっています。クラウドファンディングの場合、期限内に巨額のお金を集めるキャンペーンに近く、資金提供者はリターンや、プロジェクト自体に魅力を感じてファンドします。しかし、Patreonの場合は、リターンのシステムはあるのですが、どちらかというと、中長期的に支援者と繋がっていくのが目的にあります。だから、プロジェクトよりも資金提供を受ける人に魅力があるかどうかが、資金を集められるかどうかのキーファクターです。

Patreonは、アーティストや研究者をはじめ、全うに続けてもお金を稼ぐのが難しい、もしくは時間がかかってしまう人たちがパトロンを受けるために始まりました。しかし、最近では個人開発者が仕事をやめて、自分のサービスだけで食べていけるまで支援してもらうようなやり方でも使われ始めています。

会社自体も、ちょうど2日前にSeries Dラウンドで60億円を調達していました。スタートアップ的にも、イケイケな会社の一つです。

支援を受けた体験

支援し合う文化がくるについては、「開発会議」を運営しているなかでも感じることがありました。サービスを開始して早い段階から、投げ銭の機能を追加して欲しいとフィードバックを受けていました。また、その要望はサービスを登録している開発者からではなく、登録しているサービスを使ってみた利用者の方々からでした。

サービス内で実装するには重たいと感じたため、投げ銭機能を提供しているマシュマロと、poiitのURLをプロダクトの登録ページに設置できるようにしました。試しに、自分も開発会議にpoiitのURLを追加すると、1週間くらいのうちに、6名の方から計3000円も支援していただくことになりました。

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本当にご支援いただけると思ってはいなかったので、まず受け取っていいものかと悩んだりもしたのですが、メッセージと共にありがたくいただくことにしました。戸惑いはあるものの、サービスを通して生まれたお金、これほど嬉しいものはありません。続けていこうという励みにもなります。

誰でもできるよ!100ドルファンド

先日、Patreonを始めました。きっかけは、アメリカ向けに作っているサービスがあって、それをリリースするにあたって、Woman Makeを作っているMarieと連絡を取りたいと思っていて、一方的なのも忍びないと思って、Patreonで2ドルほど支援してみました。

翌日には、「Thanks for becoming of supporter!」とTwitterにDMが届いていて、自分が作っているサービスについても話を聞いてもらうことができました。Woman Makeや、Marieの話を聞いているうちに、めっちゃサービス作ってるな、もっとか関わりたいと思って、プランを変えて10ドルを購読することにしました。

10ドルのプランに変更したので、またお礼を言われて、彼女のサポーターページに名前を入れてもらうことになりました。たまたま、彼女が女性だったので、この流れを見るとガールズバーのお気に入りに貢いでいるみたいだけど、別にそういう感覚はなくて、もっと海外の個人開発者と仲良くなりたいと思っていたので、良い機会になったって感じです。

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現在は、Marieと、Quorieを作っているTaishiくんのパトロンやっています。といっても、計15ドルですが。まだ全然稼ぎがないので、Pieterみたいにガンガン支援することはできませんが、がんばって月100ドルくらいまでは支援する予定です。もし、良い開発者の方いたら、支援させていただきたいので、URL貼ってリプください。関わりたいと思ったら、支援させていただきます!

一ヶ月100ドルくらいだったら、普通に稼ぎある人なら結構いけるんじゃないですかね。まず、個人開発者の人はPatreonに登録して(ステマではない!)、お金ある人は支援していきましょう!Patreonに手数料取られるの嫌な人は、Stripeのチェックアウトで自前で作るのもありでないですかね。一瞬だと思います。

ちなみに、Quorieはクローズドで有名個人開発者にQAできるサービスになる予定です。日本に背を向けて、がんばっている開発者ってまだ少ないから、みんなで応援しましょう!僕はPatreonページを作っていないので、支援してくれる方がいればEast Hackersに入会してくれると嬉しいかもです(笑)

パトロンで食っていくでいいのか?

大前提でパトロンで受け取るお金は、プロダクトに直接は関係ありません。パトロンサービス経由ではなくても、課金サービスをやっている人がいれば、使わないけど支援するという意味合いで着金をするケースもあるかもしれません。これは、プロダクトが受け入れられてるわけでないので、「やった!着金してるぞ!このプロダクトいけるかも!!」と感じてしまうのは、大きな勘違いでしょう。

パトロンで受け取るお金には限りがあるし、こればっかり頼るのは良くないと思います。でも、最初ってそんなもんじゃないか?って開き直っているところもあります。このプロダクトは今全然ダメダメだけど、てか壊れてるじゃん、でも、この人が作ろうとしてるものって未来にあった方がいいよね、なんかこの人のツイートみてると応援したくなるんだよね、って、それで着金するのも悪くないスタートである気がするんですよね。

そして、それって、プロダクトそのもので収益を出すよりも比較的ハードルが下がる気がします。支援してくれる人が増えていくたびに、そう簡単にサービスを辞められなくなるし、開発者としてサービスを作り続けなきゃというプレッシャーがかかります。

開発者同士がお金を支援し合っていたら、経済がそこでしか回らないと卑下する人もいるかもしれません。でも、文化ってそういうものなんじゃないかなと思います。お金(支援)を通して、もっと開発者同士が深く関わり合えるような文化ができていくといいなという話でした!

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FREERIDER

フリーランスの個人開発者です!主に、Rails、React、Firebaseあたりが好きで使っています。

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